株式会社高梨 代表取締役

高梨雄太

Yuta Takanashi

小さかったら高く飛べ

高梨雄太

略歴

法政大学文学部卒業。新卒で某大手金融機関に入社。融資業務に関わり、様々な業種のTOPと直接会話し議論する面白さを経験する。2001年、株式会社高梨に入社。現在はD2Cブランド 株式会社bell la bell の代表取締役も兼ねる。

現在の仕事についた経緯

『会社は初代が大きくし、2代目が傾け、3代目がつぶす』などと否定的に語られることもあり、3代目である私は会社を継ぐことに消極的でした。実際、学生時代はスポーツにのめり込み、学生時代にあまり勉強をしてこなかったので、社会を知るため金融機関に就職しました。小さい支店だった為、入社2年目から融資業務に携わり、あらゆる業種のTOPの方とお話させて頂く機会がありました。その経験を通して、改めて祖父、父の凄さを痛感しました。2001年『レザーメーカー高梨を次世代に残すことは自分にしかできない』という想いから家業の継承を決めました。

仕事へのこだわり

「メイド・イン・ジャパン」のアパレル商品の割合は、いまや3%にまで下がりました。高い技術を持つ老舗アパレル工場が残念な事に今も年々少なくなっています。革製品専門店bell la bellを運営している株式会社高梨も、1974年創業の老舗皮革製品アパレル工場です。アパレル工場の多くは、アパレルメーカーから製造を委託される形で事業を運営してきました。しかし請負型のビジネスモデルは景気の影響を受けやすく、価格競争に陥りやすいという脆さもあります。
そこから脱却するために有効なのが、自社ブランドを立ち上げることです。自社ブランドは自分たちで適正価格を付けられるため、工場の適正な運用に役立ちます。工場の閑散期に製品を作れるので、リソースを持て余してしまうこともありません。
商品のタグに『自社ブランド』が入ることの喜びや、売れたときの達成感も大きいため、工場で働く人たちにとっても大きなモチベーションになります。自分がブランド作りにかかわっているという当事者意識を持つことで、「もっと品質を上げたい」という向上心も生まれやすくなります。
自発的なアクションを起こしていけば、必ずや道は開けます。先人たちが努力を重ねて必死につないできたバトン、今ここで落とすわけにはいきません。
株式会社高梨は『革製品専門店bell la bell』を通して、これからも「伝統と進化」をキーワードにお客様から愛される商品を開発し続けていきます。

若者へのメッセージ

私の座右の銘は『小さかったら高く飛べ』です。
170cmとバスケットボール選手では小柄ながら、驚異的なジャンプ力によりNBAオールスタースラムダンクコンテストで優勝を果たしたスパッド・ウェブがミズノのCMに出演した際のキャッチコピーです。
身長の高さが圧倒的なアドバンテージとなるバスケットボールの世界で身長が低いということ、それだけでプロになる事を諦めても十分な理由だったはず。
小さかったら...高く飛べばいい!
そう思えるかどうかで、私たちの可能性はいかようにも広げられるのかもしれません。