峰設計株式会社代表取締役

崔 峰云

Houun Sai

夢を忘れない

崔 峰云

略歴

中国から日本へ留学、東京大学 工学系研究科 建築学専攻 修士課程に入学。在学中に某設計事務所にてBIMを学ぶ。修士課程修了後独立。BIMの開発会社のパートナーになり、企業向けのBIM導入サポートや、BIM制作の業務を行い、建築業界のBIM普及に貢献できるよう努力中。学生や個人のBIM学習サポートとして、YouTubeにBIMのチュートリアル動画やBIMについての知識をまとめた動画もアップロードしている。

現在の仕事についた経緯

中国の大学で建築学を学ぶ過程で、知識に物足りなさを感じ建築に強い日本へ留学を決意。日本で建築学専攻の歴史が一番長い東京大学に入学。学生時代にBIMという建築業界の次世代ツールを学ぶ機会があり、圧倒的効率に感動。
その後、建築業界にBIMがまだ全然普及していないことを知る。修士課程の終盤、就活か独立かの選択に迫られた際、学生時代のアルバイト先の社長の後押しもあり、独立を決意。
BIMの普及及び建築業界の環境シミュレーションや自動設計システム、VRなどの新技術の普及を目標として会社の経営を始める。

仕事へのこだわり

常に意識していることは2つある。
1つ目は、仕事を任された際、その仕事を完成させるだけでなく「+αの価値を加える」ことである。仕事を完璧にこなすことは基本であるが、またとても難しいことでもある。もちろん、まずは仕事を完璧にこなせるように仕事に慣れることが最優先事項である。だが、それだけではまだ基本ができただけで、それだけでは自分の価値を見出せない。
そこで、私がいつも考えていることは+αの価値である。例えば、商業店舗のデザインを任されたら、商業店舗のマーケティングや資金の回収などまで考慮して提案する;図面を描く仕事を任されたら、+αで3D上で干渉チェックを行いその結果を報告する;3Dパースの作成を任されたら、指定アングル以外の設計に役立つアングルを保存し提出するなどである。

2つ目は、「夢を忘れない」ことである。ここでの「夢」は将来の夢という意味もあるが、「理想」という意味としても用いている。
大スケールとしては、会社が本来取り組みたかったことを忘れないということ。
小スケールとしては、仕事をする際に理想形を常に意識することである。仕事をしているとどうしても現状の問題を解決するため、もしくはクライアントの要望に合わせるために「夢」からそれた方向へ行ってしまうことがある。もちろんすべて理想通りにいくわけがないのが仕事であるから、しょうがないことである。しかし、それがずっと続くことによって「夢」を忘れてしまう。「夢」を忘れても仕事はできる、だがその仕事はロボットが作業をしているのと何ら変わりないものとなってしまう。これでは「夢を」叶えることは絶対にできない、現状維持か被動的変化しか発生しない。「夢」を忘れずにいれば、少なくとも、常にそれに向けた提案や改善を試み、少しずつでも着実に「夢」に近づくことができる。
そのため私は、夢を叶えるために「夢を忘れない」ようにしている。

若者へのメッセージ

私自身がまだ若者であるうえ、自分自身まだまだ未熟で日々向上している過程にいるため、偉そうなことは言えないが、私自身が心掛けていることを少し話したい。
私は、高校時代に「将来何がしたい?」ということについて真剣に考え、その結果建築の道を選び、大学も職業もすべて建築を選んで今に至っている。自分で「やりたい!」と思ったから辛いことがあっても乗り越えられるし、何をしたらいいかわからなくなっても自分の未来像を見返してまた前進することができる。
目標がしっかりしていれば人は強くなると思うし、目標がしっかりしていればいやでも成長していくと思う。
何がしたいか、どんな風になりたいかを今一度見返してみてほしい、そして明確な目標が決まったら、ひたすらそれに向けて努力をすれば、きっと自分の理想とする人になれると思う。