社会起業大学株式会社 代表取締役社長/社会起業大学 学長

林 浩喜

Hiroki Hayashi

仕えられるためではなく、仕えるために来た

林 浩喜

略歴

山口県立徳山高校、神戸大学経済学部卒業。
住友商事株式会社に入社し、建設・不動産業務に従事。米国コーネル大学ホテル経営大学院留学後、現地で複数のフードサービス企業にてオペレーションに携わる。1997年に当時日本初のベーグル専門店“BAGEL&BAGEL”を創業。新業態も含め累計130店舗を運営し、ベーグル専門店として世界第4位まで育て上げる。
最後は教育を通じて自身の経験、知識を社会に還元したいと思うに至り、社会起業大学の学長に就任。よりよい社会を次世代に渡すべく、社会起業家の育成・支援に情熱を注ぐ。

現在の仕事についた経緯

起業した“BAGEL&BAGEL”の経営を続けてゆく中で、新たな市場を創造し、事業ライフサイクルを一通り経験し、一定の満足感はありましたが残りの人生を惰性で生きてゆくことに葛藤がありました。大学時代の恩師である村上敦先生がいつもおっしゃっていた「人づくり」が起業時より胸中にあり、社内ではある程度実現できたと自分では思っていました。しかしそれを次の人生ステージで本格的にやってみたいという潜在願望がくすぶり始めていました。自分らしさを生かし、自らのミッションに情熱を持って取り組むことこそ最大の幸福だと常々思っていました。
そのような折、社会起業大学の前を偶然通りかかり名前にピンと来るものを感じました。そして「社会起業家」という生き方を知り、これこそが自分のサードステージに取り組むことと直感し入学しました。入学して1週間後には学長をやってくれないか?と請われ、受けることにしました。1年後には学校の譲渡を受けることとなり、新生社会起業大学として法人化も果たし2度目の創業を経験しました。これまでは企業経営において損益ベースで生きてきましたが、残りの人生はそれ以上に人づくり、社会貢献に捧げようと思っています。

仕事へのこだわり

仕事は、福沢諭吉が言われた通り人のアイデンティティと直結する人生における最重要事項の1つです。
まずは「自分の果たすべき社会的使命(ソーシャルミッション)」を言語化したい。それが「独立自尊」の基礎です。
人にはそれぞれ天与の役割があると思いますが、自分の場合は常に「新たな市場の開拓」というのがテーマでした。サラリーマン時代もそうでしたし、最初の起業(BAGEL&BAGEL)の時もそうでした。それもあれこれ手がけるのでなく自分が本当に取り組みたい商品やサービスにのみフォーカスするというやり方でした。奇しくも今回の社会起業大学もそういうコンセプトです。マルチ人間といわれる人々も多いですが、どうも自分にはその才覚は無いようです。笑
また前職では売上・利益といった一般的KPI指標の拡大にも喜びもありましたが、どの経営ステージにおいても一貫してより深い喜びが感じられたのは社員の成長を表すEGI指標(Employee Growth Indicator)の増大でした。若い社員の強みを発見し、それを伸ばす手伝いをし、その成果が出ることに勝る喜びはありませんでした。風のたよりで前職時代の卒業生達が起業し活躍している話を聞くと、今も我が事のように嬉しく思います。そういう意味では、今回の仕事は天職と言えるのかも知れません。
1人でも多くの社会起業家精神を持つ人材を世に送り出したいと思っています。

若者へのメッセージ

若者は若者というだけで素晴らしいものです。
当人達に自覚はないでしょうが、存在自体が武器です。大いに自分を主張して欲しいです。そしてやりたいことをどんどん実行に移して欲しいです。こじんまりまとまった、大人が期待する聞き分けの良い人間になる必要はありません。大人の善悪基準の多くは安全・安定性だが、その保証は今やもうどこにもないのですから。跳ねっ返りがあるくらいで丁度いいのです。初めからバランスを取ろうとするな。行動した結果としてそうなるのなら良いのですが、社会は常に変化します。世の中のルールも常識も変化するのです。思想、哲学すら変化します。
しかし君ら自身の「核」となるもの、それは普遍的なものです。社会起業大学ではそれを「ソーシャルミッション」と呼んでいますが、まずはそれを発見し「個を確立」しましょう。自分の強みや価値観を生かした、自分が果たすべき「社会的役割」を発見しましょう。そしてその実現に生きてみませんか?その種子はすでに君らの中にあります。それを発芽させ、まずは強く根を張りましょう。安定だけの人生なんてつまらないじゃないか。君らは君らだけのオリジナルの人生を、その主役として生きて欲しいです。