社会福祉法人ニコニコハウス理事長

阿隅貴臣

Takaomi Asumi

誰もが個性豊かに自己実現をできる

阿隅貴臣

略歴

大学卒業後、多様な業種を経験。
1999年、社会福祉法人ニコニコハウスに入職。高齢者デイサービスの介護職員、生活相談員、ケアマネジャー、障害児者相談支援専門員を経て、現職。

現在の仕事についた経緯

大学時代、地元を離れて友人たちとバンド活動していたのが楽しくて、学業は後回しになってしまい、卒業するも就職先が決まらないまま一旦実家に戻りました。しかし、両親に迷惑をかけたくないので早々にまた家を出て、外食、アパレル、美術関係、イベントスタッフ、警備員など色んな仕事を転々としながら自分のやりたいことを探す日々が続きました。就職氷河期入口の時代です。そんなとき、ニュースで「来年から介護保険制度が始まる」と言っていたのを聞き、新しい世界への興味から、高齢者デイサービスのパート職員として入職したのがこの業界に関わるきっかけでした。自分の仕事を通じて利用者さんに感謝してもらえる、その言葉がダイレクトに届くことが単純に嬉しくて、このとき初めて、お金を稼ぐためだけじゃない仕事のやりがいを感じ、「仕事を通じて誰かの役に立てている」実感を得たような記憶があります。

仕事へのこだわり

対人援助という仕事は、一般的に、支援者と利用者という関係性で語られますが、このような立場・関係はサービス提供における一面的なものです。私は常に、誰と関わるときであっても、あくまでも対等な存在として、相手を尊重することを大切にしています。これは、組織における上司と部下の関係でも同様です。当たり前のことのように思えますが、一部では、政治家や言論人、若者に人気のインフルエンサーでさえも、生産性指標のみで人の存在価値の優劣を論じる向きがあります。たとえ障害をもっていても、高齢になっても、その人なりの自己実現の姿があり、今が理想の自分に程遠かったとしても、存在価値は対等であるはずです。
ニコニコのサービスを利用する、職員として働く、ボランティアをする、様々な関わり方がありますが、関わる人がそれぞれのやり方で自己実現できる舞台として、もしくは機会を提供する場所として、この法人が存在し続けることが理想です。

若者へのメッセージ

わずかな経験値で語るのもおこがましいですが、あらゆる人との出会いを大切に、勇気を出して色んな人に接してみてほしいと思います。ストレスが大きい関係性を続ける必要はありませんが、後で振り返ってみて、そこから学べることがあるはずです。
そういう意味で、福祉という仕事は、貴重な出会いが多くあります。自分を捉え直したり、今までとは違う視点で社会を見つめるきっかけになると思います。きついイメージがあるかもしれませんが、社会に貢献できるやりがいのある仕事ですので、是非挑戦してほしいです。