株式会社コーチ・ジネッツ 代表取締役

吉里彰二

Shoji Yoshisato

「わくわく」「自然体」「慎独」

吉里彰二

略歴

1982年に東京大学経済学部を卒業後、三菱化成工業株式会社に入社し、初めの29年間人事に携わる。
その後、三菱ケミカルホールディングスアメリカInc.社長、株式会社三菱ケミカルホールディングス 執行役員監査室長、大陽日酸株式会社 取締役常務執行役員チーフコンプライアンスオフィサーを歴任し、2020年に株式会社コーチ・ジネッツ代表取締役として起業。

現在の仕事についた経緯

20年ほど前、社内で公募制度を導入し、人事として面談に立ち会ったとき、応募者の中で現状逃避型の社員は上司にも人事にも何も相談できないという実態を目の当たりにしました。そして当時、厚生労働省の推進していた“キャリアカウンセラー5万人計画”に注目し、2006年に社内キャリアカウンセリング制度を立ち上げました。
これがカウンセリング、コーチングの世界への第一歩です。
その後、人材・組織開発部長として社内の様々な人間模様を見る中で、エグゼクティブコーチングの導入も視野に入れましたが、当時の日本では時期尚早ということで実施には至らず、2011年アメリカ赴任。アメリカでのエグゼクティブコーチングの普及を実感し、日本でのエグゼクティブコーチングの重要性を確信しました。
自分がコーチングを受ける立場を考えると、エグゼクティブの経験のあるコーチから受けたいという思いがあり、すぐにコーチに転ずるのではなく、職務の中で社内コーチの役割も意識しながら、部長、グループ、会社社長、役員等とかかわってきました。コーチとしての独立は役員の任期を満了してからと考えていましたが、還暦を機に一身上の都合で役員を退任し、独立の準備に入りました。

仕事へのこだわり

「話してくれてありがとう」「目的を明確に」「はずだの撲滅」が仕事の上で、そして人生の上での三本柱です。

「話してくれてありがとう」は上司や親が、メンバーや子供が気まずいことを言うか言うまいかを迷いに迷った挙句に話してくれた時、感情を露にせず、相手に寄り添い事実として受け止めます。起こってしまったことはもう変えることはできません。これから先どのように対応するかが重要です。
「目的」は何をするにも常に明確にしてきました。僅か10分程度の打ち合わせでも、1時間の会議でも、セミナーでも、まとまった文章を書くときも、目的は何かをお互いにあるいは自分の中で確認します。そして、それが終わった時は目的の達成度を確認します。達成度に応じてその先の対応も変わってきます。
「はずだ」ほど無責任な態度、言葉はありません。なんの確認もすることなく自分で勝手に思い込んでいます。結果、できていないことが後から判明し大慌て、ということがあまりにも世の中では多いです。

そして今の課題は、①コーチとしてのコーチング、②エグゼクティブコーチングの普及活動、③経営者OBOGコーチの開拓の3つ。特に実際のコーチングではクライアントに対する関心、好奇心を大事にしています。クライアントはどのような行動、発言をしようともそれに対してコーチとしての価値観や経験に基づいた良し悪しの評価をするのではなく、その行動や発言の背後にある理由や目的は何かということにまず関心の焦点をあて質問を試みます。その後、本人に断った上で、情報提供としてコーチとしての考えや経験を紹介することはありますが、この情報を聞いてどのように判断をするかはクライアントの選択です。

若者へのメッセージ

どうせ無理だろうと諦めるのではなく、それが達成できた瞬間を映像としてリアルに描き、そのことにわくわくしましょう。潜在意識を信じ、大事にすること。他人を変えることはできません。自分の意識、考え、行動、発言を変え前に進むこと。何事も目的を持って、環境や相手の置かれた立場等を考えて行動して下さい。
あなたの北極星は何ですか、どこですか?
人の意見はあくまで情報提供、最後に決めるのは自分で、人のせいにはできません!