ストレッチ専門店ストレチックス本部代表

山口 晃二

Koji Yamaguchi

「利他の心」と「三方よし」

山口 晃二

略歴

某上場ベンチャーでの求人広告営業で数々のトップセールスを記録、最年少マネジャーとして活躍後に転職した後、某大手商社系のコンサルティング会社にて、FCビジネスコンサルタントを行う。30才で独立し、FC本部支援事業を手掛ける。2014年に自社業態「ストレッチ専門店ストレチックス」を開業、FC本部展開を開始。著書に「自分には売れないんじゃないかと思っているあなたへ」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

現在の仕事についた経緯

地方出身で、学歴も乏しい私が、若くして大成するには「早期独立するしかない」という想いで20代を過ごし、30才で著書出版を機に独立起業、フランチャイズコンサルタント業を開始しましたが、起業が目的化し、利己的な経営によって、思うように拡大できませんでした。そんなとき理念先行型経営を標榜するリハビリデイサービスのFC展開支援を行ったことがきっかけで、「ストレッチ専門店ストレチックス」の業態開発、FC本部展開に至りました。運動が不得手・苦手な中高年者に、ストレッチを通じて運動習慣化を促すことができ、結果、予防医療・介護予防への貢献、社会保障費の抑制につながるという「三方よし」の事業です。「利他の心で、三方よしを広げる」という理念先行型の経営で、事業拡大にまい進しています。

仕事へのこだわり

仕事には、一定の成功法則(ノウハウ)があり、それをいかに早く見つけるか?を探求してきました。それがみつかれば、あとは確率論の世界ですので、ノウハウに忠実に、人より多くやり続けることで、他人以上の成功量が短期間に手に入ります。私は営業職が長かったですが、何事も「質だ量だ」と言う前に「最良の手法」をみつけ、それを「最大やる」ことが成功の最も近道だと実感しています。
また「逆算思考」も大事にしています。今現在、成功を収めている企業経営者の方々は未来の世界を予見し、「世の中はこうなるだろうから、これが必要だ」または「世の中をこうしたいから、これが必要だ」と、少し先の未来予想から逆算して、今日明日の行動を決め、実践してきた結果、今の地位を得られたと思います。私もそれに学び、2025年100店舗展開を目指し、そのために今日何するという逆算で仕事をしているつもりです。実は、2014年の1号店開業時には2020年100店舗の期限目標がありました。残念ながら期限に目標達成ができませんでしたが、原因自分論で反省し、また目標と期限を設定し直せばよいのです。むしろ高い目標を期限を決めて追いかけていったから、至らずとも今の成長があるのであって、目標と期限なく、コツコツと積み上げていく結果と比べて、はるかに高い成果が得られると思います。
「原因自分論」とはすべての物事の結果は、自分の言動に原因がある、という考え方です。例えば営業で、既存客の予期せぬ離客で、売上目標を達成できなかった際に「離客があったから」とならず「一定の離客を見越して新規開拓を怠っていたから」と自己反省することです。「原因他人論」の延長には自己成長はありませんので、例外なく原因自分論で振り返るようにしています。

若者へのメッセージ

「夢や目標を設定する」ことに抵抗がある方もいると思います。実は起業当初の私もそうで、自然と心から湧き出てくるものだろう、逆に達成できなかったときが恥ずかしい、と思っていました。
しかし、今思えばもっと具体的にミッション(社会的役割、目的)、ビジョン(目指すもの、目標)、バリュー(価値観、理念)を最初から設定しておくべきだったと反省しています。私の場合、独立起業した当初は、極めて利己的に経営していましたので、雇用した社員の短期離職、顧客とも長い取引関係にならないなど、不安定な経営状態が続きました。そんな私が「利他の心」という理念にたどりつき、自社業態であるストレッチ専門店が増えれば増えるほど、日本の社会保障費の抑制に貢献するという「“三方よし”の拡大」をすることになるまで、約10年もかかりました。
ミッション・ビジョン・バリューを具体的に強烈に設定しないと、協力者が増えず、事業が前進しません。でも、できなかったら??…原因自分論に立ち、未達成原因をしっかり振り返った後、躊躇なく変えればいいのです。「変える」ということに恐怖心を持たないこと。これを若い方々にはお伝えしたいと思います。