株式会社ビノス代表取締役

渡辺 敦

Atsushi Watanabe

選んだ道が正解

渡辺 敦

略歴

高校卒業後、東京理容専修学校入学、理容師免許取得、卒業後就職、山野美容専門学校通信科に通いながら美容室就職、働きながら美容師免許取得、25歳で店長になり、28歳で独立。32歳で2店舗目出店。そこでスタッフが全員辞めることで雇用環境を見直し、「ママ美容師サロン」に路線変更。そこで培ったことで、ママだけでなく美容業界全体の雇用環境大幅見直しを決意し現在にいたる。

現在の仕事についた経緯

実家が床屋の流れで理容師になったが、美容に興味を持ち美容師へ。離職率が多く好きな仕事をしたくても人生を豊かにし難い環境に疑問を感じたまま独立したものの、染み付いた環境が抜けきらずに一度は失敗。舵を取り直し雇用環境改善に取り組んだ経営をしている。

仕事へのこだわり

利益を本格的に追うには土壌が出来てからです。
経営する上で利益は重要です。利益がないと誰も幸せにできません。いかなる状況でも利益を考えなければなりませんが、同時に土壌づくりをしっかりしていないといけません。なぜなら美容室で利益を生むのは「人」だからです。

私が言う美容室の土壌とは、人が豊かに働ける環境です。ですが、残念ながら今の美容業界にはそういった環境が非常に少ないです。離職率の高さと成り手の減少がその証拠です。
だから私は、人が豊かに働ける環境を長く安定的に継続させるためにまずこの土壌づくりにこだわりました。
そんな中で、「美容師が好きなのに環境の問題で続けられない」という女性美容師の声を多く耳にする機会がありました。

主な原因は、熱量の方向性がスタッフ間で違う、将来結婚・出産後の働き方への不安、ママの場合は経営者や未婚スタッフとのギクシャクした関係などで肩身の狭い思いをするなどでした。業界の古い「当たり前」は希望を奪うものでしかなかったのです。そのとき「働き方にもコンセプトが必要だ」ということに気づきました。
自分の身を削って働くことを美徳とする考えが残る業界では、プライベートも重視したいと言う考えはやる気がない様にみられがちでした。
でもそれは違います、熱量の「方向性」が違うだけで、美容師への思いはちゃんとあるのに。
だから弊社は「プライベートと仕事を両立したい女性」と働き方にも定義することで、価値観が同じスタッフが集まりお互いに仕事がしやすい環境を可能にしました。さらにママ美容師だけのサロンを作ることで、将来結婚しても働き続けられる安心感、ママ美容師だけだからみんな理解力があり肩身の狭い想いをしないで仕事に集中できる環境まで可能にしました。

未婚時代〜ママ以降の全ての女性が、あらゆるライフステージでも仕事とプライベートを両立できる環境を作ることが弊社の理念でもあり、私の仕事へのこだわりが今の理念にもなっています。私たちはこれからもやりたい仕事を続けられず悩んでいる女性美容師の受け皿になれる様、豊かに働けるための環境を作り続けていきます。

若者へのメッセージ

座右の銘にもある「選んだ道が正解」は、今に至るまでに確信を得た言葉です。経営者はいろんな選択をし続けます。そんな中、セオリー以外の選択肢には不安や悩みは必ず生じます。「本当はこうしたらいいのに」と思っても、失敗が怖いからとりあえず業界や周りの経営者の常識に流されてしまいます。「何(誰)のために何をやる(優先する)」、は経営者によって違うから出す答えも違って当然です。これが明確なら自分の出す答えの方が正解です。そして「正解=成功」ではありません。もちろん成功するつもりでよく考えますがそれでもうまくいかなかった場合も、次のステージに行くためのヒントを得た「正解」だと思って自分の道を選んでいますし、確実にそれをきっかけに成長してきました。これからは多様性の時代、正解はたくさんあるので選択肢で迷った時、自信を持ってやりたい方を選択した方が自分自身の人生も豊かになると思います。