株式会社平和会代表取締役

若月 一朗

Ichiro Wakatsuki

一期一会

若月 一朗

現在の仕事についた経緯

弊社は、祖父が九品仏浄真寺でペット霊園として創業しました。
それから二代目を父、三代目を私が引き継ぎ、今年で創業74年を迎えます。
この仕事に就いた経緯ですが、子供の頃からこの霊園が私の遊び場でしたので、祖父と父の仕事姿をよく目にしていたことがきっかけの1つかと思います。
また、ペットを亡くして悲しまれている飼い主さんの姿や、お墓参りでいろいろと話し込んで帰られる方の姿もよく見ていました。
そういった「人が悲しみから回復しているプロセス」を目の当たりにしていたので、子供ながらに何か感じることはあったのだろうと思います。
少し大きくなってからは、この霊園を通じて人と動物のために何か貢献できたらという想いが芽生えましたし、事業を継承することも私にとってはごく自然なことでした。

仕事へのこだわりと目標

現場主義なので、とにかく現場に立っていろいろな経験をしようと心がけてきました。
もちろん最初は分からないことだらけですし、現場に立つたびに難しいことも大変なこともあるのですが、やはりその場でしか覚えられないこと、得られない感覚というのはあったと思います。
たとえば火葬場で扉が閉まる一瞬の感覚、あのときのご家族の感情というのは、実際に現場に立たないとわからないものです。けれど、実際に体感すれば、「なるべく飼い主さんに参加して頂けるような葬儀にしよう」など、大切にすべき方向性も見えてきます。

会社を経営する上で大切にしていることは、やはり楽しくあることですね。
業種が業種なので「楽しく」と言うと少し語弊があるかもしれませんが、仲間同士でざっくばらんに話せる環境や、コミュニケーションを取りながら物事を解決できる体制づくりには配慮しています。
そういう環境の中でスタッフの皆が成長してくれることは、経営者としての大きな楽しみであり、やりがいでもありますね。

以前と比べると同業者の数がずいぶん増えてきましたので、今後はなんらかの差別化が必要と感じています。
そこで、周辺の豊かな自然を利用し、まるで異空間に入ったような気持ちになる「テーマ霊園」を作り上げていきたいと考えています。
納骨堂にいると、飼い主さんが亡くなったペットのお骨を抱いて、一緒に外を眺めている姿をたまにお見掛けすることがあります。「お骨になっても家族は家族なんだな」と感じる瞬間です。
私としては、まさにそういったご家族が気軽に遊びに来られるような、明るい公園墓地を作っていきたいと思っています。
近年は火葬した後のお骨をご自宅に持って帰ってしまって、なかなか納骨されないご家庭も多くなっていますが、折を見て納骨することで気持ちに整理が付くこともあります。また、そこから新たなペットを迎え入れ、楽しい人生をリスタートさせるという選択肢も、私達としては嬉しいものです。
まずは「ペット霊園」という場所があること、そして皆さんの人生の区切りとして活用して頂けることを広く知って頂きたいと思っています。

若者へのメッセージ

デジタル化が進み、いろいろと便利になってる世の中ですけれども、実際に物事を行うのは人です。
ですから、やはり人と人の絆を大事にしてもらいたいなと思います。
それからいろんなことにチャレンジして、経験して、自分のものにしていくこと。
その過程を楽しむことが大切ですね。
ここ数年は時勢が落ち着きませんが、いつまでもこんな状況は続きません。
どんな小さなことでもいいので、希望や目標を持って積極的にチャレンジしていって欲しいなと思います。