株式会社ジェイテックコーポレーション 代表取締役

津村尚史

Takashi Tsumura

柔軟に対応する

津村尚史

現在の仕事についた経緯

私は大阪大学を卒業後、10年間、大手企業で新規事業開発に携わり、様々なプロジェクトに参加しました。しかし次第に大企業での仕事に閉塞感を抱くようになりました。より自由な環境で開発をしたいとの思いから転職。
2年間、ベンチャー企業で役員をした後、住友電気工業株式会社(以下、住友電工)との「自動細胞培養装置」の共同開発の事業により独立しました。独立の希望が昔からあったわけではなく、開発などの仕事で理想を追求した結果が起業であったのだといえます。
現在当社では、自動細胞培養装置とともに、大阪大学と理化学研究所の研究成果をもとに実用化した「放射光用X線集光ミラー」を中心としたオプティカル事業を軸としています。世界最小の集光経を実現する当社の高精度X線ミラーは、回折限界の集光を実現するミラーとして、世界中の先端的な放射光施設およびX線自由電子レーザー施設で利用されており、医薬学・エレクトロニクス・マテリアル・食品・美容など幅広い分野の研究開発に貢献しています。

仕事へのこだわりと目標

経営理念である「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を、常に心に期して仕事をしています。単なる下請け企業ではなく、世界で唯一の技術をもとにオリジナルの製品を開発することに強いこだわりを持っているのです。

そのような製品開発を続けるために必須となるのが産学連携であり、放射光用X線集光ミラーは、その代表的な成功例といえます。ただ、大学や研究機関の目的が研究であるのに対し、企業の目的はビジネス。その部分を擦り合わせ、学問的な知見を事業として形にすることに力を入れています。

産業技術総合研究所(つくば)と長年共同開発した独自の培養技術CELL FLOAT®を用いて、iPS細胞などによる再生医療の実現や、創薬の開発に貢献していきたいと考えています。また、医療機器分野への参入を構想しています。また、オプティカル事業では、現在需給が逼迫している半導体分野への本格参入を検討しています。私たちの事業をあらゆるステークホルダーの皆様に理解していただくために、IRなどに力を入れ、積極的な投資につなげていく考えです。

若者へのメッセージ

若い時は、上司に与えられた仕事をこなすことが常識だと思います。しかし、それだけではなく、与えられた仕事以上の成果を出すことを心がけましょう。それにより自分自身の強みができ、自信に繋がることはもちろん、仕事ぶりを見た周囲の人のサポートが得やすくなります。
私が会社を興し、今日までやってこれたこと、また産学連携の事業を進めてこれたことも、周りの人たちの協力があってこそです。上司や周囲の目よりも、自分自身の理想を見つめ、その実現のために打ち込んでみてください。