楽々プランニング株式会社代表取締役

辻 哲哉

Tetsuya Tsuji

巧緻は拙速に如かず

辻 哲哉

略歴

早稲田大学政治経済学部卒業、三井海上火災保険入社、東急エージェンシー、野村ホールディングスを経て起業、現在に至る。

現在の仕事についた経緯

たまたまです。広告代理業で起業したのですが、スポットの仕事が多くうまく行きませんでした。サラリーマン時代にやっていた不動産投資と宿泊事業の親和性に着目し、宿泊運営管理のビジネス化を図りました。宿泊事業は集客だけではなく、清掃事業も必ずセットになってくるので、1年後清掃事業を立上げました。宿泊事業の運営管理は、語学も多少必要とし、ゲストのやりとり、損害金の回収から清掃までと、面倒なことが多いんです。人が嫌がる面倒なことがビジネスチャンスに繋がると考えております。結果論ではありますが、四季折々美しい日本文化を数多の世界の人々に伝えるビジネスをやっていると思うと幸せですね。

仕事へのこだわり

私が仕事でこだわりをもって大切にしているのは2つです。『早いもの勝ち』と『マニュアル化』です。
『巧緻は拙速に如かず』ということわざがあります。これは会社新人時代の上司にたたきこまれたものです。100点近い仕事を1週間かけてやるよりも、60点の仕事を2日で仕上げる方が優秀だということです。仕事は人・物・金・情報が絡んでおり、刻一刻と変化していく生もののようなものです。生ものは腐りやすいので、多少粗があっても、素早く調理しなければいけません。そういう意味では、複数の会社で働いてきましたが、営業面においては、スピードを重視して多少強引な営業スタイルを取ってきたのかもしれません。
 また、仕事が滞ってうまく行かないときの原因は分析すると2つしかないと思います。やり方がわからないのか、またはやる気がないのか、このどちらかしかないんです。いわゆる仕事ができる人というのは、その人がスーパーマンなわけではなくて、任された仕事の『やり方をわかっている人』です。個人の能力の優劣なんかどうでもよくて、私にも判断できません。何が言いたいかといいますと、『やり方を教える』こと、つまり業務のマニュアルをこと細かく作り、教育していくことがすごく大事なんだと思います。まったく売上の上がらなかった営業マンが、業務マニュアルを見て学び、教育熱心な上司から『やり方』を教えてもらったり、時には盗んだりして、トップセールスに成長していく例が多いですよね。

若者へのメッセージ

新しい価値を作る人間になって欲しいと思います。仕事には定型業務と非定型業務があります。定型業務とは会社から与えられるお決まりの仕事です。非定型業務は、現状の会社にはない新規の仕事です。働く部署によって異なりますので、たとえば、営業部門は新規顧客の開拓、企画部門は新しい企画の立案、管理部門は新システムの開発などが、非定型業務に挙げられます。定型業務ができる人は多いのですが、非定型業務のミッションを与えた瞬間、思考停止になる人が殆どです。これはとても残念だと思っております。
 新規業務に熱心に取り組むことが、世の中のお役に立てる、新しい商品やサービスを創造することに繋がると考えます。定型業務を卒なく仕上げるのは当たり前で、平凡な評価しかもらえません。新しい価値を創造できる人間は、どこにいっても高く評価されると思います。また、起業家の中には、新しい価値を創造しようとしている人が多いです。新規開拓、新アイデアの具現化、新システムの開発を通じて、新しい価値を創造していく、世の中を少しでも良くしたいアツい想いを持って取り組む、そんな人間になって欲しいと思います。