株式会社トーユー 取締役副社長

戸山智徳

Tomonori Toyama

風土醸成

戸山智徳

略歴

2005年、明治大学卒業後、株式会社キーエンスに入社。26歳でリーダー、30歳で課長職、32歳で営業所長に就任。
2017年末に同社を退職し、株式会社トーユーに取締役購買部長として入社。
2020年に取締役副社長に就任。

現在の仕事についた経緯

株式会社キーエンスでのキャリアは順調であり、そのまま同社でキャリアアップを続けていく予定でした。
しかし、営業所長に着任したころから、当社社長である父から入社を強く希望されるようになりました。すでに家族も子供もおり、収入も大きくダウンすることから難色を示し続けていました。
しかし、子供ができたころからその考え方にも変化が出ます。キーエンスに入社してからのキャリア形成は自身の努力によるものだという自負はありますが、入社できたのはなぜか、ということを考えた場合、父が自分に施してくれた経済的支援(教育)がなければ入社をする事はおそらくできませんでした。
父への恩返しできること、それは何かを考えたととき、祖父から続く当社をより大きくすることが最大の恩返しと考え入社を決意しました。

仕事へのこだわり

キーエンス時代、自分より有能な同僚・先輩・後輩に囲まれてきた経験から、自分に特殊なスキルや稀有な才能がないことを自覚しています。だからこそ、やらなければいけないことを当たり前にやる。それを継続する。できなかったことを認め、できるようにするにはどうすればいいかを常に考えている。それをした上で、人と差をつけるには「人がやらないこと」を「継続して」やらなければならないと考えています。
キーエンス時代に口すっぱく言われていた「最小の資本と人で最大の経済効果(付加価値)を上げる」という考え方は今も自分の中に強く息づいています。

現職着任後は、上記の内容を踏まえながら「風土の醸成」にこだわって経営を行っています。社員はやれと言われればその場ではやります。しかし意味合いの説明を怠ったり「なぜそれをするのか」が理解できていなければ、勢いは瞬時に減速します。
逆に「なぜやるのか」を理解しようとする風土が醸成されれば、管理者が何も言わなくとも動ける社員が増えていきます。
いま、当社として風土の醸成に必要なものは何か、何の風土を醸成する必要があるのか。それを常に意識しながら職務に当たっています。

若者へのメッセージ

「若者へ」というメッセージを出せるほど経験豊かではありませんし、経営者としては駆け出しの人間であるため、言えることは多くはありません。
ただ、ひとつ。社会人として最も重要なことは「うそをつかないこと」だと考えます。これは他人に対してもそうであるし、自分に対してもそうです。
少しのプライドが邪魔して、できないことを「できる」と言ってしまう事。なんとなく自分では「今の言葉は相手をいやな気持ちにさせてしまったな」と感じても、相手が何も言わないことをいいことに、その感覚を無視してしまうこと。
それが1回だけなら大きな損失はありませんが、5年、10年と積み重なることで何時の間にか大切なものが自分の指の隙間から零れ落ち、取り返しのつかないマイナスになります。
相手にうそをつくことで信用・信頼を失うことは当然として、ぜひ自分にもうそをつかずに少しでもその手から零れ落ちるものを少なくしていってほしいと願います。