株式会社つつわび 代表取締役

鳥居英夫

Hideo Torii

素人のプロフェッショナルになる

鳥居英夫

現在の仕事についた経緯

前職では機能性食品の企画部門で仕事をしていました。
ある会社様との商談の中で、酒蔵さんで出る酒粕を余らせて捨ててしまうという話を聞きました。機能性食品の会社に在籍していたため、どうしてそんないいものを捨ててしまうのだと思っておりました。たまたまそのお話をいただいた方に酒蔵さんをご紹介いただき、何か一緒にやれることがないかということになりました。それが最初に酒粕の分野に入っていくきっかけでした。
当時は機能性という部分でしか酒粕を見ていなかったのですが、酒蔵さんにお邪魔する際に「御宅のお酒を飲んだことがありません」というのは失礼なので、必ずお邪魔する前にそこのお酒を飲み、どんな酒蔵さんなのかを徹底的に調べていくうちに、日本酒の世界に私自身がのめり込みました。飲んで美味しいだけでなく、背景やこだわりに興味を持ち始め、さらに日本酒の美味しさを知るようになりました。舌で感じるだけでなく、心で感じるようになりました。日本酒の酒蔵さんのこだわりを伝えるツールとして何か商品化できないかという思いが芽生えていきました。その後、様々な酒蔵さんとやり取りさせていただくようになり、どんどんその世界観にハマり、一つの事業としてできるのではないかと考え始め、酒蔵さんの応援もあり、2018年に起業することになりました。

仕事へのこだわりと目標

社名の「つつわび」はどういう意味なのかと聞かれることが多々ありますのでお話しします。
現在は、インターネットの普及により、人間関係が希薄になったと言われています。作り手と消費者は、商品を通じて繋がっています。この「人と人との繋がり」を糸のように紡ぐことで、そこに「和」が創られると私たちは考えます。人と人との繋がりの中で仕事をし、美しい和を作り上げていく。そんな想いから「つつわび」という社名にいたしました。また「つつわびる」という動詞で、弊社の活動内容を表現しております。

今後の目標というか願いという部分にも繋がるのですが、酒蔵さんを応援するというところが一つです。
日本酒業界が元気になるというのが我々の目標でもあります。SDGsにもつながる部分だと思うのですが、酒蔵さんは地域に根ざしている部分も大きく、酒蔵さんを元気にすることによって雇用も生まれますし、原料であるお米を作る農家さんも元気になる。水資源を大切にしていて、森林の保全に努めている酒蔵さんもかなり多くいらっしゃいます。我々の商品を通じて何かしら興味を持つことが生まれたら、それが日本酒業界を元気にすることにつながるのではないかと思っています。そのことをテーマに今後も仕事を続けていくつもりです。

若者へのメッセージ

自分自身もサラリーマンを経て起業したので、働くということから学ぶ事は学生時代よりも圧倒的に多いと思います。一生勉強だと思います。サラリーマン時代も学びは多かったのですが、起業してからサラリーマン時代に見えなかった事もよく見えるようになりました。日々、成長していることも感じますので、そこに関して何かを惜しまず、社会に出てからも学ぶ姿勢を持ち続けて欲しいですね。テストのための勉強とは違う、自分のための勉強というのが社会人になってからの本当の勉強なのではないでしょうか。