一丸タクシー株式会社 代表取締役

鳥越紀男

Norio Torigoe

一人の百歩よりも、百人の一歩

鳥越紀男

現在の仕事についた経緯

弊社は創業から70期ほどになる、私の曾祖父が立ち上げた会社です。
代々継いでいたわけではなく、私も父も別の仕事をしており、親族以外に長い間任せていました。
ただ7年前、会社の経営状態と人間関係が悪化し、運営の継続が難しくなったと連絡がきたのですが、実は父も祖父もすでに他界しており私も東京で働いていたため対応したのは、母でした。曾祖父、祖父、父は別会社の経営に携わっており、母は長年専業主婦でしたが、
「鳥越さんがトップになってくれるなら和解する」という強い思いを受け、母が会社の代表になりました。元は会社の代表になることを受け入れられなかった母の頑張る姿を見て、私も何かサポートしたいと思い、岡山に帰り一丸タクシーの一員として勤務を始めました。
経営の経験もなく異業種からの転職でしたが、会社を改革するために日々邁進しています。

仕事へのこだわりと今後の目標

今まで生きてきた自分の性格や感性、自分自身の想いを信じて好きなようにやらせてもらっています。
まずこの会社に来て最初に感じたのは、「会社として成り立っていないのでは?」ということでした。
私も長く一企業で働いていましたので、一般的な企業との相違点を正常化することに時間を費やしました。リーターシップがあるとは思わないですが、従業員と協調することは大切にしています。
実は入社してすぐ従業員が半減してしまい、人出が足りず自分も現場に出ることで見えてきた問題点もたくさんありました。
トップで引っ張るというよりも、中に入り共感を得ながら改革していくスタイルです。本来の会社の代表がされているような、会社の方針を決めたりリーダーシップをとったりするところに時間をさけていないのが現状です。ただ、目の前のことをひとつひとつ時間をかけて変えていくのが、自分には合っているのかもしれません。


実は自分の部署以外には干渉しないよう、私が縦割り組織を強化してしまったのですが、小さな会社なので、そのすき間にある仕事が放置状態になってしまうことに気づきました。
現状は私がやっているものの、そういったこともお互いに助け合っていけるような環境にしていきたいです。
例えば東京と田舎のタクシー会社の運営は全く違い、東京では当たり前の「流し営業」は通用しません。都会と違って田舎にはタクシーに乗りたい人がどこにでも歩いていないからです。その為、電話配車がメインで電話番は本当に必要な存在です。タクシーを運転する以外の業務もみんなでサポートできるようになってほしいと思います。
現在、タクシー以外にも観光バスも運行していて、弊社は第3種という御一行様に特化したツアーがメインです。地域密着型でお客様のお顔もしっかり見えるような営業をしています。
岡山周辺は観光名所がたくさんあるので、ぜひ地方の方もバスツアーとして来ていただけたら嬉しいです!

若者へのメッセージ

時代の流れもあるとは思いますが、昔の方に比べて「根性論」が通用しなくなっているイメージがあります。例えば、昔は職を決めて終身雇用を目標にするのが当たり前でしたが、2~3年でスキルを習得して転職していることが現代では多く見られます。
日本の素敵なところは「技術を継承していくところ」だと思っているため、ぜひもっと泥臭いことも経験して、様々な技術を継承してほしいです。
とはいえ、私もまだまだ若手の意識ですので、自分の職を習得できるように頑張ります。