合資会社竹田酒造店 代表社員 兼 杜氏

竹田成典

Shigenori Takeda

継続は力なり

竹田成典

現在の仕事についた経緯

大学卒業後、北陸不二サッシ販売株式会社に入社、ビルサッシの営業畑を歩く。
26歳の時、正月の帰省時に両親より現在の妻(美都里)を紹介されたのを機に転職を決意。日本酒に興味があったとか、日本酒が好きだったとかは一切なく、後から考えても不思議に思う。

仕事へのこだわり

私が当蔵に入ってからしばらくすると、いわゆる「新潟淡麗辛口ブーム」が始まりました。とにかく、「端麗辛口」さえ造っていれば売れる時代でした。新潟県の中でも上越地域は元来「旨口」の多い土地柄であったにも関わらず、上越地域の酒蔵が一斉に「辛口化」してしまいました。
そんな中、中越、下越の「辛口」を造り続けてきた歴史ある蔵が今更「辛口」に参入しても、「今はそれで売れるかもしれないけどブームが去ったら勝てっこないなぁ」と思い「旨口」路線に磨きをかけ、勝負しようと思いました。(不思議に先が読めていました)。当然ではありますが、地元の小売店からは、非難轟轟ですね。
時を同じくして、新潟県内の大手蔵はコストダウンのための近代化に着手し、少ない人数でどれだけの生産量を上げられるかの競争が始まりました。当蔵は地元の小売店に品質向上を理由にリベートの廃止を提案し、またまた非難轟轟。そして、大手蔵とは逆に、少しでも手をかけて丁寧に造る事にし、造りだけでなく、出荷もすべての商品を一本一本湯煎にかけて出荷しました。
「手を抜かず、丁寧に造れば必ず商品の品質は上がる。小さい蔵だから出来る事を全力で」。こんなちっぽけな蔵が時代に生き残るにはこれしかありません。これからも、小さい蔵だから出来る事を愚直にやっていきたいと思います。

若者へのメッセージ

努力したから必ず報われるなんて事は無いかもしれないけど、努力しなければ奇跡は起こりません。
これからますます、厳しい時代が訪れるような気がします。
私はいい時代を過ごしてきたのかもしれません。でも、一度しかない人生、無我夢中になって生きる時期は本当に貴重です。頑張ってください。