株式会社アルカダイアモンド代表取締役社長

迫 恭一郎

Kyoichiro Sako

うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ / 則天去私

迫 恭一郎

現在の仕事についた経緯

実父が創業したため、生まれながらに宝石卸し業の2代目。宝石企業の跡継ぎとして小さいころから宝石に囲まれて育ちます。もともと宝石そのものに多大な関心があったということもあり、大学在学中から宝石鑑定士の勉強をしておりました。
その経験がのちに経営者になった際に活きることとなります。
私は弊社に23才で入社、26才で社長就任。
現在の私は65才ですので、42年間の職歴、および39年間の経営者としての実績があることになります。
その人生にはたくさんの紆余曲折がありましたが、まさに宝石のために捧げた人生だと自負しております。

仕事へのこだわりと今後の目標

わが社が【世界最高の研磨技術を有している企業であること】。それが全てです。
わが社以上に輝くダイアモンドを研磨できる会社は存在しないため、競争相手がいないのです。
わが社の生産様式は、機械で研磨したダイアモンドを仕入れ、手磨りで磨き直しています。
一つ一つ手作業でおこなうので、職人が磨けるのも年間で約1,000個~1,200個程しか研磨できません。
普通の会社は目減りをしないカットを目指すのが普通ですが、わが社の場合は、輝きを優先するために平均約25%を磨き落とします。そこまでして世界一輝くダイアモンドを研磨しています。この事実は、いかにわが社が【輝き】にこだわっているかという証拠です。
素人の方から見れば、機械研磨も手磨りでも見分けはつかないかもしれませんが、やはり【輝き】は絶対的な美しさを持つのです。
わが社はそうした微差にこだわる企業でありたいと常に心がけております。


現在、わが社は岡山県美星町の山頂に、研磨工房を造ろうとしています。最終的に20年かけて、その地で年間約1万個のダイアモンドを研磨できる職人の集団をつくることが目標です。
そうした田舎で研磨作業に打ち込むことで、男女関係ないジェンダーフリーの環境をつくりたい、さらには身体障碍者やうつ病の方でも働けるように、職場環境をつくる事も目標として掲げています。
優れた製品を世に出しつつも、社会的に弱者といわれる方の雇用を創出し、共生を目指す。これは微力ながらわが社が実現できる社会貢献だと、私は信じております。

若者へのメッセージ

最近の若い人はよく「好きなことを仕事にしたい」とおしゃいます。しかし私は、はたして20代でそれがわかるのだろうか、と思います。私の経験から述べると、嫌な仕事やつらい仕事は、いまから思うと自分を成長させ、磨いてくれました。目の前の仕事を真剣に取り組むことで、どんな仕事も好きになる可能性を含んでいます。
とかく若いうちから自分の好き嫌いを決めつけず、広い経験の中から「自分自身を知り」、一生の仕事を探してもらいたいと思っています。