株式会社マスターマインド 代表取締役

小沢啓祐

Keisuke Ozawa

損得の考え方を大事に

小沢啓祐

現在の仕事についた経緯

弊社は主にフード用のプリンターの開発・販売をしている会社です。先代は父で、父が創業しました。私は海外留学をしており、日本に帰国した後に入社しました。そして父から会社を継ぎ、社長に就任いたしました。
父が会社の基盤を作ってくれたおかげで、当時売れなかったものが今になって売れてきています。
様々なプリンターを販売していますが、Tシャツ印刷は海外が主流でリーマンショック後はどうしても売れなくなってしまいました。そこで着目したのがフードプリンターです。ケーキ屋さんはホールケーキの売り上げが良いと儲かりますが、ケーキへのイラストは手書きです。書ける人は少ないですし、書ける人がいてもその人に仕事が集中して労災になりかねません。
これを解決したのがフードプリンターで、面白いだけでなく経費削減に繋がると、フード業界に広まり売上が伸びました。ケーキ屋さんはお客様を待つお仕事のイメージがありますよね。でもうちのプリンターがあればクッキーに絵を描いて会社のノベルティとしてお茶菓子にするなど、やり方次第で販路が広がります。
そういった意味で、まだまだ様々な需要があるのではないかと考えています。

仕事へのこだわりと目標

仕事をしていると、どうしても相手に対して喧嘩腰になってしまいます。気持ちはわかるのですが、これでは自分が損することが多いと思うのです。
前向きに相手のことを信じ、自分もオープンになることでお互いを信じ合える関係性になれます。この関係性である方が会社にとっては得ですし、相手からの信頼も得やすいです。人間ですからそう簡単にいかないこともありますが、こういったスタンスを大切にしています。
そして社員同士でも感謝の気持ちを忘れないこと。これは会社同士にも言えることですが、いい仕事をすればするほど感謝される、だからいい仕事ができるという良い循環になればいいなと思います。偏った方向から人を見たり評価したりするのは嫌なので、その辺りも常に気をつけています。

コロナになり経費の見直しをしたことで、売り上げは下がりましたが利益が出る体制になりました。コロナがいいきっかけになりました。ですから今後は、基本的なこととして、プリンターをどう発展させていくかを考えています。面白いサービスを行っている人や企業はたくさんありますので、そういったことと組み合わせてくのが大事になるのではないでしょうか。
ハードメーカーなので企業に物を売れば商売にはなります。しかし、例えば「Tシャツにどうプリントしているのか」「どの技術がすごいのか」に関して、一般の方は興味がないですよね。ですから、この技術が輝くようなトレンドを作っていくことも必要だと感じます。
面白いものに印刷して流行らせるなど、ハードよりもソフト的な仕組み作りは中小企業の製造メーカーにとって重要なことだと考えています。このような部分も強化していきたいです。

若者へのメッセージ

「使えない」「仕事が遅い」「何をしてもダメ」などと言われ、生きるモチベーションが低くなっている方もいると思います。しかしそんなことを言われても気にせず、落ち込まないでほしいです。
人は絶対に何かの役に立っていて、役に立たない人はいません。その自分の役割に気付く・気付かないは人それぞれの時間軸で違いますが、いつかわかる日が来るので心配せず一生懸命生きてください。
またモノづくりは、色々なことに理由があります。なぜこのパーツを使うか、どうしてこういう形状なのか、全て理由があるんですよね。この問題を理解していくと、色々なことが柔軟に理解できるようになります。
もし考えた答えが違っても、その本当の目的が分かっていれば大丈夫。人生もこれと同じで、1+1=3の時があったっていいのです。これが分かれば、色々なことが怖くなくなりますよ。