株式会社バンテック 代表取締役社長

大島 徹

Toru Oshima

いまやれることをやれ

大島 徹

現在の仕事についた経緯

弊社の前身は古く、戦前から万年筆のペン先をつくっておりました。それが戦争により東京から疎開してきたため、ここ栃木で新たに事業を始めることになったのです。
私はそこで父を社長に推し、銀行からの後押しを得て、独立するに至りました。
私はといえば、金型の仕事がやりたくて東京に修行に出ていたのですが、こちらに戻ってきました。その後に父の跡を継ぎ、代表に納まったという次第です。

仕事へのこだわりと目標

お客様からいただいた仕事であるならば、たとえそれまでやったことがないものでも、なんでもやるということです。父の代では、メインのお客様は父に頼めばなんとかなると評価してくださいました。私はずっと父のようになりたかったのです。
2013年には、弊社はアメリカのダラスで展示会のデビューを果たし、それから毎年参加するようになりました。そこのスペースシンポジウムにおける部署で、人工衛星の噴出口のフィルターが必要という話が出ました。これを製作するのは大変なことですが、ぜひ実現したいと思っています。

また弊社ではエアコンのフィルターもずっと作っておりますが、これは国内では減産の傾向があります。よっていまではタイでの製作をメインにしております。というのも、タイではエアコンの需要が高まっているからです。
「仕事は仕事のあるところでしかできない」は鉄則です。エアコンは世界では毎年、1億台もつくられていますが、日本国内では1千万台しかないのですから。

弊社製品の輸出先では、ヨーロッパ、南米、特にメキシコにまだ輸出の余地があります。ですからまずこの範囲にビシネスを広げていきたいです。そこで英語、スペイン語が話せる人材が必要なので、これを確保しなければいけません。当然ですが日本より世界の方が広いため、世界に目を向けた方がビジネスチャンスも拡大します。ですが、ビジネスを展開するという意味では、日本も世界も変わりません。求められるものは、どこでも綿密なコミュニケーションと、納期を厳守する誠実さだからです。

弊社の今後の課題としましては、製品のデータ管理です。データを管理できれば、どんな条件でも製品の使用状況が分かります。よって現在では、データベースをつくれる技術者が欲しいと思っています。
そのためには、弊社のような会社を探している技術者に向けて発信する必要があります。そこで各種展示会に参加したり、ネットで情報発信をしているわけですが、来年からは海外も含め、発信を拡大したいと考えています。

若者へのメッセージ

いまの若者を見ていると、「もっと冒険してみたら?」と言いたくなります。彼らはあまりにもリスクを取ることを恐れすぎです。たとえば、若くして社長になるでもいいです。やらないことには、なにも始まりません。
とかくやりたいことを、やってみてほしいです。そのためには、積極的な行動あるのみです。机上の勉強もいいですが、その後には自分の力を試すためにも、とかくやってみるだけです。
弊社のような中小企業でさえ、世界を見据えて行動し、最近では中国とタイに会社をつくったのですから。