Aperaion株式会社 代表取締役/行動変革プロデューサー/著者

西谷信広

Nobuhiro Nishitani

己に克つ

西谷信広

略歴

米国の大学卒業後、米国勤務を経て帰国。名もなき小さな機械商社に入社。営業で7カ月間受注ゼロ。上司から叱責を受け続ける。ある顧客先でみた光景からヒントを得てゼロから新規事業を単身構築。全社比200%の売上を実現、東証一部上場をけん引する。
その後、大手電機メーカーにて技術企画室に所属。本社研究開発の企画、運営及び用途開発に従事。2005年事業開発部。研究所・事業会社から人材を集めプロジェクトチームを結成し、事業開発を通じた社員育成に従事する。
2008年、ドイツ系化学企業にて日系自動車メーカー国内外事業統括部長として事業戦略構築およびその推進、新製品開発推進、社員採用・育成に従事。自動車部門世界戦略立案には日本人として唯一参画。
2016年、独自に育てた仕事のメソッドで人の成長成功に役立ちたいと独立。成功ノウハウを体系化し、これまでに200名以上のやり切る力を引きだし120%の収益を達成する社員も輩出。
著書に『誰でもできるのに、1%の人しか実行していない仕事のコツ48』がある。

現在の仕事についた経緯

一言でいえばリーダーを育てたいとの思いからです。

事業開発、営業、製品開発、異文化人材開発や組織最適化など、常に人が中心のリーダーシップをとってきました。

どうすれば人は育つのだろうと考えるようになり、失敗と成功から編み出した独自の考え方、仕事の仕方をメソッド化しようとの結論に至りました。そしてその手法を実際に社員育成にも活かして磨きをかけました。実際、使ってみると効果があったのです。

そこで、メソッドを使って企業の収益力を高め、リーダーを育てるお手伝いができれば、日本経済に貢献できるのではないか、それが生きる道ではないかとの思いに行きつきました。それが起業したきっかけです。

仕事へのこだわり

「この仕事は本当に人のため社会のためになるのか」を考えて働いてきました。

わたしは小学生から高校卒業まで12年間、驚くほど勉強をしませんでした。高校卒業したらニートです。それも2年間。

20歳の時、1か月の入院を余儀なくされました。退院後、医師から数日遅れていたら死んでいたと言われ人生観が変わりました。どう生きるかを考え始めたら異常なほど勉強したくなりました。勉強してないから脳が渇望したのでしょう。

大学になんとか入学。でも、勉強をがっちりやらないと卒業できない環境に身を置こうと米国の大学へ進みなおしました。

卒業後米国で1年働いて帰国する時思ったのです。「同い年のひとたちより仕事に就くのがおくれたな」と。差がついているわけです。

そこで、日本での生活に向けて10カ条をつくりました。10カ条の中に「人のため、社会のためになっていると実感できる仕事をする」というのを入れたのです。

海外にいると日本の悪いところも目に付きます。同時に、今まで気づかなかったいい面も見えてきます。だから日本のために何かできないかと思うようになりました。

今の仕事はトレーニングやコンサルティングです。わたしができるのは小さな(スモール)サポートです。大きな笑顔(ビッグスマイル)獲得にはクライアントの頑張りが必要であり、わたしができることは小さいことです。でも、人のためになりたいからやっている仕事です。

スモールサポート、ビッグスマイルというわたしのコンセプトも、人や社会のためになるのか?自社利益を優先していないか?と、わたしにとっては同じことなのです。

「人のためになるのか?」を常に問いながら仕事をする。これがわたしのこだわりです。

若者へのメッセージ

若さとは可能性です。ただ、経験がない分、与えられる仕事は面白くない場合もあるでしょう。しかしこれはどう考えるかで変わります。

日々の仕事をしっかりやり切り続けたあなたが得るものは何でしょう。それは経験値の蓄積です。与えられた仕事の精度があがりあなたの経験が厚みを増すのです。

経験といえば、この経験もぜひ積んでほしいものがあります。それは失敗することです。

失敗すると落ち込むのはわかります。まじめであればあるほど落ち込むでしょう。ただ、がっかりするのはせいぜい最大で1日です。翌日はなぜミスをしたのか自分に問いただし、ミスの原因を探り、どうすれば同じことをしないか考えてください。
失敗の要因がわかるだけではなく、二度と同じミスはしなくなります。

失敗を放置せずそこから学ぶなら、もうそこにはあなたのミスは存在しません。あるのは学びだけなのです。ミスからの学びもあなたの経験値を大きく高めてくれます。

自ら積極的に動いて得る経験値はあなたを成長させます。そして、あなたの将来に大いにプラスになります。だから、日々の仕事に積極的に取り組み、つまらなさそうな仕事の中にも面白みを探して取り組んでください。経験を学びながら積むことで人間的成長と明るい将来が見えてくるようになります。しっかり前進してほしいと思います。