合同会社brigade 代表社員

根本泰史

Taisi Nemoto

雨垂れ石を穿つ

根本泰史

現在の仕事についた経緯

元々接客業でしたが、コロナが流行る少し前に、同業で職がなくなってしまった方の手段として、宅配の仕事が伸びている事を知り、やってみようと思いました。コロナ前から個人的にいろいろしていたので、brigadeが初めての企業ではありません。現在はコロナがワクチンなどで落ち着いて、元の職に戻る方もいます。ただコロナをきっかけにチャーター業に対して何かしらの魅力を見つけて完全にこちらに移行した方もいます。
始まった頃はタクシー運転手、外食産業の方々が弊社に限らず配達業に移動してきました。水商売をしていた時は、お金や気持ちに余裕が無く、「やり始めたからには頑張ろう」と思って続けていました。反対に、宅配の仕事は「みんなが困っているから始めよう」と思いました。大手の取引や同業者の関わりが増え、底辺職と言われる軽貨物のドライバーさん達の置かれている現状や社会的立場を目の当たりにしました。運送業界でいうところの加重受け構造は、情報弱者がいて、「資本主義だから仕方ないよね」という考えもありますが、本人が良いから全て良しというのは違うのではないかと考えました。そこで、何かできないかと思い立ったのがきっかけです。

仕事へのこだわりと目標

私は元々少しめんどくさがりやで、「早くリタイアして自分の好きなことをしていきたい」という人生観だったため、その時その時で目の前の仕事を頑張るという方針でした。以前、水商売で働いていた時は「お金を稼ぐことが目的」という考えだったのですが、宅配業界に来てこれまで関わってこなかった方達と出会い、「この業界や社会に対してできることはないのか」と考えはじめました。民間企業なので、「利益を出さないと」という気持ちは当然あるのですが、利益を先行して考えない方がいいかなと思っています。軽貨物の業界だとまずドライバーさんがいて、その上に幹部、さらにその上に会社という構造なので、ドライバーさんを第一優先にしようと思っています。その結果、利益が出たという形が一番良いですね。ドライバーで正社員を希望している方には、正社員雇用の話をして条件が合致した後に雇用させて頂いています。この業界は基本的に拘束時間の長さを考えると正社員雇用が難しい部分も多く、委託という形を望むドライバーさんも多いです。

今後は、軽貨物に限らず、様々なことに挑戦してみたいと思っています。経済的な余裕を持つためだけで無く、ドライバーさんの目標や夢の数だけたくさんのアイデアを出していただき、一緒に具体化して行きたいです。
現時点で、やりたい事を叶えるために会社を起業した方もいます。そのため、独立支援にも力を入れたいと思っております。

若者へのメッセージ

「不満があるなら自分でやってみよう」ということです。
例えば、ご飯がまずいなら自分で作ればいい、部屋が汚いなら自分で掃除すればいい。これらのことは父の教育でした。そして今思うと理にかなっているなと思っています。
やってみると元々自分がいた環境がどれだけ恵まれていたか分かります。見えなかったものが見えた時、「こうだったからああやって不満を言っていたのか」と分かっていくと思います。不満ばかり言っていないで、「どうしたら解決できるかな」と自分で考えていくと、不満が不満で無くなったり、飲み込めたりしていくと思います。そういう思いで行動したら良いと思います。