株式会社PLEIN 代表取締役社長

中尾太一

Taichi Nakano

やりたい事より役に立てる事

中尾太一

略歴

料理人 兼 経営者。インタビュー時の2021年で29歳。
調理師学校卒業後「星野リゾート」「Smiles:」を経て、25歳で独立。
コロナ禍でも出店を加速し、29歳の若さでありながら、表参道・麻布十番・恵比寿などを中心に6店舗の飲食店運営とオンラインショップの経営、プロデュース事業でも高評価を獲得している。新進気鋭の経営者。

現在の仕事についた経緯

調理師学校を卒業して2社で働いた後、25歳の時に株式会社PLEINを設立する形で起業しました。
独立起業した理由は、飲食業界で働くという事をポジティブなものにしたかったからです。
起業前に星野リゾート、スマイルズと素晴らしい2社で働かせて頂いていたので食の仕事に誇りを持っていました。評価もして頂けていて、魅力的な人達に囲まれて楽しく働いていました。
ただ一方で他の会社の料理人や友人と話す機会があると「給料が安い。休みが無い。」などネガティブな話が多く、大好きな飲食業界の地位が低い事を残念に思うことが多くなりました。
飲食業界全体を変える事は出来ないけれど、同じ様に飲食業で誇りを持って楽しく働きたい人達と一緒に生きていける場所を作りたいと思い、起業しました。

仕事へのこだわり

2つの事を大切にしています。

1つ目は、“やりたい事より役に立てる事をやる事”です。
新卒の時に教育担当の社員の方から“やりたい事よりできる事”と教えて頂き、経営者になってからも自分なりに、“やりたい事より役に立てる事”をモットーにしています。自分のやりたい事をやって上手くいく人もいると思いますが、私はそうではありません。経営者になってから、やりたい事の実現よりも、Visionの達成に近づく結果を出す事が周囲の幸せに繋がるという事を学び、大切にしています。

2つ目は、“何をやるかより誰とやるか”です。
事業を作ってから仲間を集めるよりも、共に働いてくれる仲間を軸に事業を作る様にしています。
日本国内だけでも何十万と会社があり、たくさんの仕事がある中で、会社のVision・Missionに共感し共に働いてくれる従業員がいる事は奇跡だと思い感謝しています。
経営者として従業員一人一人にとって“ベストな職場”を作る事は無理だと思います。
ただ、会社と従業員が共にGOALを目指す過程で、ベターな職場にしていく事は出来ると思っています。
多くの人に共感してもらう事よりも、熱量のある、誰かの心に深く刺さる仕事をしていきたいです。

若者へのメッセージ

若いうちにたくさん挑戦して、失敗していきましょう。
私は25歳の時に起業しました。18歳の時から独立起業を夢見て貯めた500万円と銀行から融資を受けて、表参道にレストランを作る所から事業を始めました。
周囲のほとんどの人に絶対に失敗すると言われました。経験がないから。お金がないから。職人としての技術が無いから。社会人経験が足りないから。
実際に起業してみると悔しいながらその言葉の通りで数えきれない程失敗しました。
起業当初は事業計画の3分の1もお客様が来なかったり、自分の人間力の低さからスタッフが辞めたり、悪い人に騙されて大金を失ったり、色々な失敗がありました。
大きな会社の看板を外した自分個人では何一つ出来ない事が悔しくて、何度も心が折れそうになりました。事業が軌道にのってきた矢先にコロナもありました。
ただどんな時もチャレンジは止めていません。20代でうまくいった事の100倍失敗していますが、何とか楽しく生きていけています。若いうちに恥を恐れずたくさんチャレンジ、失敗していきましょう。
ぜひ、お店にも遊びにいらして下さい。