株式会社アイ・ピー・エフ 代表取締役社長

中西 宏

Hiroshi Nakanishi

無理せず格好つけず

中西 宏

現在の仕事についた経緯

英語の職に就きたいと思い某電機メーカー、国際営業部に就職しました。そして28歳でフランス子会社の駐在員として、パリに赴任し8年を過ごしました。
駐在員代表から始まり最終的に子会社の社長まで経験した中で、現地の有力者や有名企業とも付き合いがあり、パリの良いものを日本に紹介したいと考えていました。
帰国指示が出た際には、自分で事業を起こすと決め、起業したのがこのアイ・ピー・エフという会社です。当時は色々な分野を輸入しており、今のメインとなるランジェリーもその中のひとつでした。
「売れなくてもいいから品質のいいものを売りたい」と海外のNO.1ブランドを取り込みました。輸入ランジェリー業界では当時30社ほどいた同業者も今ではほんの数社です。やはり日本では品質の良いものが選ばれる結果なのだと実感しています。

仕事へのこだわりと今後の目標

無理をしない、恰好をつけない、が私のモットーです。
実は事業を始めた当初は、フランス人を雇ったり良い場所にオフィスを借りたいと、利益に結び付かないのに格好をつけたやり方をしてしまって大失敗しました。
家を一軒買えるほどの資金があったのに、1年ですべてなくなってしまった程です。
日本の事業はお金を借りるのが当然だと思っていましたが、銀行が担保がないとお金を貸してくれないこともその時、始めて知らされました。
その為、苦労しましたが自己資金0から再度会社を持ち直しました。
わざわざお金を借りるための資料を作る時間で、やりたいことが出来なくなって時間がもったいないと思っておりました。だからこそ自分のやりたいことを100%でやるには、すべて自分の資金でやる資金力がすごく大切だと感じています。
そして100点を求める人が多いですが、私は99点でもいいと思っています。
その代わり、みんなが12時間でやるところを1時間でやる効率の良さを大切にしています。
事業を拡張するには90点でもいいから他の人に任せる勇気をもって、時間を有効に使うことも必要です。


日本の方は品質に対する意識がとにかく高いです。日本人が品質を重要視していることを世界の人も知っています。意外にも値段の安さで決める人は少ないんです。
海外ではオーナーが変わると、品質まで目が届かなくなることが多く廃業していくメーカーも多いのですが、やっぱり品質が良い企業は生き延びられます。
100年続く「老舗」とよばれる企業が、ヨーロッパには本当にたくさんあります。ですから弊社も、老舗メーカーとやり取りをして品質の良いブランドを残していかなければいけないと思っています。
私たちも末永くこの業界で生き延びていけるよう、今後も妥協せずにNo.1の商品を選んでいくつもりです。

若者へのメッセージ

一度失敗を経験した方が良いと思います。やはり苦労して0からスタートしないと、なかなかうまくいかないように思います。
そして可能であれば海外で修業してみるのも良いと思います!
最近の若い人は、海外になかなか行きたがらないと聞きますが、海外の市場に、直接肌で触れてみると視野が広がります。最初は言葉の壁がありますが、現地語だけでなく、現地の生活習慣や考え方を学ぶ機会でもあります。
2年くらい勉強すれば、行ってよかったなと思えるはずです。もしかすると日本に帰りたくないと思ってしまうかもしれないですね。ぜひチャンスがあれば海外でチャレンジしてみてください。