有限会社きこりたち 代表取締役

宮原保雄

Yasuo Miyahara

先人たちが残した言葉、そのひとつひとつが素敵な宝物

宮原保雄

現在の仕事についた経緯

新卒で入社した会社が子供服メーカーを創るということで、私はそれに手を上げて東京の事業部の立ち上げに参加しました。その後デザイナーの勉強をしていた社長の息子さんがデザイナーとして加わり、その後一緒にブティックIN&OUT(1972)を創ったんです。
しかし自分たちが考えたて創った服が、1~2年したら飽きられ捨てられていることに虚しさを感じました。その時これをずっと追求するのか、という疑問が出来てしまったんです。
ブティックの内装を自分たちでやったこともあり、空間や住む環境にも興味がありました。そこでインテリアの会社で手伝いをし、その経験も活かしてこの会社を立ち上げました。
「きこりたち」の社名ですが、「きこり」はひとりで生きていけるという表現。そういう能力のある人たちがチームを組んで、仕事をしていくという意味なんですよ。

仕事へのこだわりと目標

自立そして自己確立することが大切だと思っています。
世の中や社会が悪いんだ!というのはよく聞きますが、そこに自分が存在していませんよね。嫌なことは、自分は関係ないんです。そうではなくきちんと自分自身を確立しなければ、やった経験は戻ってきませんし、自分自身を高められません。

私は自分が考えていることを目一杯やればなんとかなる、という体験をしました。
勉強してからが一般的ですが、私の場合は実行すること触れることからスタート。現場に入って職人さんの技術を一通り体験しました。知らないことだらけで夢中になっていましたが、そうすると会社の仕事の依頼が途切れてくる。そこで「自分が継続発展出来る仕事を創る環境の大切さ」を実感したんです。以来、現場には入らず経営一本にシフト。働きながら学んで、どうすればいいかという判断で動くようにしています。

スタッフには能力と人間力を同時に高めるように伝えているんです。能力だけならAIには勝てません。人間力も同時に高めることによって一緒に仕事がしたいと思われるような人間になって欲しいですね。
会社をスタートしたら、一般的には社員がたくさんいて売り上げがたくさんあることが評価されます。しかし大人数になると方向性のずれ、人やお金の面倒を見ることが仕事になってしまう。本当にそれがやりたくて会社を創ったのか、と思ってしまうんです。きっとそうじゃない方も多いはずですよね。ですから私は少人数でもいいので、納得がいく・バランスがとれている・継続ができる・お客様から信用信頼される…そういう集まりの会社になればいいなと思っています。

ですから、会社を継続発展するために何をするか、それぞれの能力・人間力を高めるにはどうするかが課題。それを高めるのに限界はありませんから、その能力・人間力がきこりたちの魅力になればいいですね。内装の仕事は「内装屋さん」の一言で終わってしまいますが、「場・環境」が人間に多大な影響を与えていく仕事。お客様に素敵な場や環境を提供しながら、小さい会社でもこんなに長く続けて行けるんだ!と思ってもらえる存在を目指したいです。

若者へのメッセージ

今の若い人たちと自分が育った環境には違いがあります。
私たちの頃は戦後復興して、日本が成長していった時代で、何かをすれば成功するかもしれないという、いい意味の貪欲さがありました。現代は当時よりは安定していて、仕事をすれば生活ができるという環境です。その分、周りを見て同じ行動をする。例えば、友達が大学に行くから自分も行く。また、大手の会社など、みんなが同じような方向を向いているのが気になる点ではあります。いろんなことを学ぶのは大切ですが、他人ではなく自分を中心にして、いろんな可能性にチャレンジしてほしいです。
能力だけならAIに負けてしまい、人間は必要なくなります。でも自ら何かを発想することはAIにはできません。ぜひ、自分の魅力を高めるような考え方をしていってほしいと思います。
最後に経験は財産です。特に「失敗・大変・しんどい・無理・出来ない・やったことが無い・人がやりたくない事・他」の経験が財産になりました。