株式会社NORI Corporation CEO

三嶋義明

Yoshiaki Mishima

失敗を恐れるよりも真剣でないことを恐れよ

三嶋義明

略歴

大学3年修了時(1986年)に休学してUBS銀行シンガポール支店にて半年間インターシップを受け、復学・卒業した1988年にUBS銀行東京支店入行。UBS証券、HVBキャピタル証券(本店ミュンヘン)にて金融ビジネスの経験を積み、IPOを目指す製造業ベンチャーに転職するも会社は1年で倒産状態に。
その後、HIS創業者の澤田秀雄氏が率いる澤田ホールディングスグループに入り、エイチ・エス証券をはじめ主要グループ会社の取締役を務めながら澤田氏の海外金融投資のビジョン実現に尽力。ハーン銀行(モンゴル)の国際競争入札による民営化案件を陣頭指揮して落札成功に導き、IFC(国際金融公社)によるモンゴル企業への初のエクイティ出資獲得に成功し、投資直前の2002年末から辞任直前の2019年12月末に掛けて、総資産は53億円から4,050億円、純利益は2億円から76億円へと躍進を遂げた。
2020年4月、満を持して独立。現在、第二領域における社長の社外右腕として、会社経営におけるブレない体幹を鍛える精神的パーソナルトレーニングジムを営む。
VERSANTスピーキングテスト68点(TOEIC換算977 - 990点)

現在の仕事についた経緯

独立を意識した時に、僕のちょっと変わった経歴を生かせる職業とは何だろうかと自問自答した結果、辿り着きました。外資系銀行・証券という日本とは違うカルチャーの会社に身を置いた後に転じた日系製造業ベンチャー企業では、資金が詰まり、従業員を全員解雇し、失業保険で食いつなぐということを身をもって経験しました。
その後偶然に出会ったHIS創業者澤田さんのすぐ側で、金融事業における右腕として17年間仕え、日本の金融機関が手を出さない発展途上国におけるリテール銀行の経営にも携われたことはかけがえのない財産です。
会社とは何だろうか?経営とは何だろうか?と常に自問自答しながら、腹落ちする回答が得られなかったサラリーマン時代でしたが、独立後にその回答に辿り着き、今の仕事を始めました。

仕事へのこだわり

松下幸之助さんの著書、「道をひらく」に、『失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れたほうがいい。真剣ならば、たとえ失敗しても、ただは起きぬだけの充分な心がまえができてくる。』という言葉があります。前半部分をいただき、『失敗することを恐れるよりも、真剣でないことを恐れよ』を座右の銘として仕事に励んできました。
換言すると、『ビジネスにおいて失敗はない、なぜならば真剣に取り組んでいれば必ず取り返せるからだ』と考えています。故に、僕は超ポジティブ思考です。『やばい!』ということが起こっても、『おっと、ここから盛り返すのが僕の真骨頂、さて、どうやって料理しようか』としか考えません。『僕は終わった』などと考えることはありません。

独立したての頃はもがいていました。自分が何をやりたいのか、どうしたいのかが見えてこなかったからです。そんな中、会社のお金の流れを視覚的にとらえるお金のブロックパズル®に出会えたこと、それを提唱している方の講座で自分のミッション、ビジョン、バリューを見直す機会を得られたことも幸運でした。真剣に取り組んでいれば、多少時間が掛かっても、形になることを体感できたからです。常に真剣に取り組む、このスタイルを貫いています。

最近意識していることが、自分を理解してもらいたいなら、その人を先に理解する、ということです。自分はこうです、と売り込んでも相手が聞く耳を持っていなかったら一方的に喋っているだけで何も伝わらないし、理解もしてもらえません。ところが、僕が相手のことを理解して、ツボにはまった質問ができたり、その通りという共感を得られることを言ったりすると、僕に興味がなかった相手が、僕に興味を持ちだしてくれるということを複数回体験しました。そうすると、僕について質問してくれるようになります。相手が知りたいと思って口から出た質問に答えるわけですから、相手は僕の言うことを聞くだけでなくて、理解してくれるようになるのです。
相手に聞かれるまで自分のことは話さず、相手のことを理解するための質問をし続けるのも僕のスタイルです。

若者へのメッセージ

起業したい若者に意識して欲しいことがあります。
多くの人達が「ミッション、ビジョン、バリューをしっかり決めましょう」と言っており、僕もそれには大賛成です。自分のミッション、ビジョン、バリューを決めようと、昨年4月に独立して以来ずっと取り組んでいますが、今一つしっくり来ていませんでした。
なぜなのかを考えた時、会社の定義ができていないことに気づき、そこからしっかりと考えなきゃいけないんじゃないかと思い当り、考えました。

そこで、起業したいあたなに質問です。
Q. あなたにとって会社とは何ですか?会社を定義してみてください。

Q. 何のためにあなたの会社は存在するのですか?

Q. なぜあなたは会社を経営するのですか?

この質問、簡単な様で、難しい質問ではないでしょうか?少なくとも、僕には超難問でした。答えに辿り着くのに、2年掛かりました。でも、これがしっかり定義できていないとブレてしまい、一貫性のない会社経営になりがちです。

僕の回答は基本的にすべて同じです。

Q. あなたにとって会社とは何ですか?会社を定義してみてください。
A.自分のビジョンを実現し、ビジョン実現を応援してくれる全員を幸せにするための器であり仕組みである。

Q. 何のためにあなたの会社は存在するのですか?
A. 自分のビジョンを実現し、ビジョン実現を応援してくれる全員を幸せにするために存在する。

Q. なぜあなたは会社を経営するのですか?
A. 自分のビジョンを実現し、ビジョン実現を応援してくれる全員を幸せにするために経営する。

僕のこの定義を押し付ける気はさらさらありません。あなたなりの定義をしっかり持って欲しいと思います。