株式会社EVTD研究所 代表取締役

小池哲夫

Tetsuo Koike

人事を尽くして天命を待つ

小池哲夫

現在の仕事についた経緯

前職は日野自動車に勤めていました。ハイブリッドやEVの研究開発を30年以上行っていました。
定年退職になり、今まで培った技術を活かせないかということで、起業したいという気持ちを強く持つようになり、EVTD研究所というものを発足させました。
このEVTD研究所のEVは「Electric Vehicle Technology Development」の略で、電気自動車の技術開発を行う会社です。

仕事へのこだわりと目標

基本的に日野自動車からの継続になりますが、「人との繋がりを大切にしていこう」ということと、「技術を追求していき、他社にはない技術を開発していきたい」という考え方を持っています。
今までハイブリッドをメインにやっていましたが、ハイブリッドというのは一人ではできません。前職ではリーダーとしてやっていましたが、研究・開発を推進するためにはやはり人を大切にして、思いをひとつにしていかないとできないわけです。それは今のEVTD研究所も同じことです。他社と同じことをやってもダメなので、基本的にはやっぱり新しい発想のもと、新しいことにチャレンジしようと思っています。

会社発足当時、コンバージョン式EVの開発を進めていましたが、EVには関心が無く見向きもされませんでした。その当時は、コンバージョンEVの構成部品であるリチウムイオン蓄電池(LiB)がもてはやされていたので、LiB蓄電池電源の開発を手掛け、製造・販売を行っており、今では主力事業となっています。
一般の住宅の屋根に付いているソーラーパネルは、10年経過すると売電価格が電気を作る製造原価近くまでぐっと下がってしまいます。そのため、自分のところの屋根で作った発電電力をLiB蓄電池電源に溜めて、基本的には自宅の中でそれを消費しよう、使おうという気運が高まっています。これによって再生可能エネルギーを活用することができます。
現在、2050 年に向けてゼロエミッションというものを各国が掲げています。リチウムイオン蓄電池電源というものも柱にして今後やっていこうと考えています。

若者へのメッセージ

早く気付くことですね。疑問を持つことでもいいと思います。様々なことに疑問を持って、「これは本当にいいのかな」という考えをしていくだけで、何かを乗りこなしていく出発点になると思います。何も気付かないでただ日常を過ごしていると、あっという間に時は過ぎ去ってしまいます。自分自身で考えてアプローチしていくこと、それで一人で歩けるようになるのです。
今の若者は情報が多いから情報に惑わされるというか、あるいは逆に惑わされないようにするためにどう防御しようとか、そういうふうに考えているのではないでしょうか。そういう状況であるからこそ、まず様々なことに早く気付く、あるいは早く疑問を持って自分で歩いていくということが必要だろうと思います。