株式会社A-Drone 代表取締役

小林大悟

Daigo Kobayashi

思いは具現化する

小林大悟

略歴

1968年生まれ。大学を次席で卒業後、NECに入社しインターネット網の構築に携わる。ジョイントベンチャーに出向、BIGLOBEの広告事業の立ち上げに携わり、技術、企画、アライアンス、営業、運用設計、現場の運用を担う。NEC復帰後、モバイルサービスを20サイト立ち上げ、動画配信サイト、ECサイトを運用。
NECのBIGLOBE売却に伴い、ドローン開発の自律制御研究所に出向。半導体企業の新事業(ドローン)リーダーへの転職を経て、株式会社A-Droneを設立し独立。

価値創造

私は、見たことが無いもの、既成概念を超えた新しい価値を作り出すことに喜びを感じます。ものごとを抽象化し、シンプルにしていくと本質が掴めます。その本質をたくさん集めておくと、課題を解決する為の事業や商品を作り出す際、使えるものがいくつかあります。まず課題があり、解決する為に必要なものを持ってくる、この組み合わせが価値創造の一つの方法です。特異なもの、面白いと感じるものほど顕著な本質が内在しますが、私にとってドローンはその一つです。
私は、実際に行うことで得られる経験を重要視しており、ドローン事業として、開発(作ること)、サービス(使うこと)、販売(売ること)を行っています。

我々は地球人

私は小さい頃から、星や星雲、宇宙に惹かれ、SFやアニメが好きで、宇宙から地球人を見るという視点を持っていました。そこから見ると、宇宙や地球はただ存在するだけ。人間社会、法律やルール、善悪、価値観、我々の周りの多くのものは、誰かが決めたもの作ったもの。人は都合の良いものを善と言い、都合の悪いものを悪と言う。絶対に正しいものなど無く、あるのは宇宙や地球の性質や原理原則のみ。人が住む地球は奇跡的なバランスの上に成り立っており、そのバランスは簡単に崩れる危ういもの。CO2、DNA、原子力、考えれば考えるほど、知れば知るほど、人間の浅はかさと傲慢さを思い知らされます。
ここ数年で環境問題が大きな問題になり始めました。私は30年前に発行された地球の危機に関する本を持っていますが、危険や被害が直接迫って来るまで人は動かないことを痛感しています。
リスク回避には、悪いシナリオへの対策が有効です。地球環境の変化で大きな災害が発生していますが、私が思う最も深刻な影響は生態系の変化です。世界の人口に対して食料と水がわずかとなった時、国や人はどんな行動を取るでしょう?残酷で身勝手な性も人間の一部であり、ある国はそのパターンに備え始めている様に見えます。
これまで、大量にあるかの様にもしくは気にせず消費してきた大きな地球。我々は宿主を蝕み続ける癌細胞の様にも見えてきます。これまでの様に争い奪い合うのか、違う思想を持つのか。明るい未来に向かう為には人類がもう一皮むける必要があります。解の一つは、日本の和の思想にあるのかも知れません。
私にとって、これまでの業務や個人的活動で得た、インターネット、広告、権利ビジネス、メンタルヘルス、食品衛生、スタートアップなど、それぞれが一つのツールです。もちろんドローンも力を与えてくれると思います。
コロナ禍の中、これから自分に出来ることは何か、思いを巡らせています。

若者へのメッセージ

以前参加していた、学生と対話する活動の中で気付いたことがあります。
意識の高い方ほど「意欲的にノウハウを学び、成果を得たい」という気持ちが強いのですが、「正解を知っている=賢い」と考える方が多い様に思います。変化が小さく繰り返しの世界(成熟期)であればそれで良いのですが、これから来る可能性が高い、状況が大きく変化する環境(黎明期)でより重要なのは「試行錯誤して学ぶことと、諦めずにたどり着く力」です。
しかしそれは、効率化せよ、無駄なこと余計なことはするな、という価値とは真逆のアプローチになりますので、周りからの抵抗も多々生じるかと思いますが、とにかく実行してみることが重要です。方法はいくらでもあります。その先に新しい発見や化学反応、素晴らしい出会いが待っています。うまくいかなくても諦めないで下さい。達成や成功は、小さくても大きくても素晴らしいことで、それは他とは違う、コピーではない、あなた自身の価値になります。
「宇宙から見た地球人」の視点と、地球や自然に対して謙虚な心を持ち、生物が生存出来る微妙なバランスを維持すること。この価値観を多くの人が共有することを願っています。