株式会社きたむら 代表取締役

北村容子

Youko Kitamura

警備という使命感

北村容子

現在の仕事についた経緯

高校を卒業してからは美容部員として働いていました。
警備業に携わったのは、知人が「警備の会社を立ち上げたい」と言い出したのがきっかけです。
警備会社の設立には「警備責任者」の資格保有者が必要ですから、「じゃあ私が資格を取ってみようか?」と申し出たのです。資格は無事に取れ、28歳で警備会社を立ち上げることになりました。
知人と共同経営という形でしたが、フタを開けてみれば実際の仕事はすべて私任せ。
設立後2~3年のうちはなんとか好調だった経営も、7年ほどで立ち行かなくなりました。
時期を同じくして子供が生まれ、本当に途方に暮れていました。
しかし当時のメンバーが5~6人ほど私に付いてきてくれると言うので、必死の想いで弊社を立ち上げました。
最初は給与の支払いも難しい状況でしたが、以前の取引様が売掛金を先払いにしてくださり、そのお金でなんとか事業を回していきました。

仕事へのこだわりと目標

ただただ必死でやってきましたので、確固たるこだわりはありません。
会社を大きくするつもりもなかったのですが、警備のニーズが想像以上に多かったので、お客様のお声に答えていたらいつのまにかここまでの規模になったというところです。
すると「警備は社会で必要とされている仕事なんだ」という意識が芽生え、業界全体のイメージを向上させたいという想いが湧き起こってきました。
警備員=日雇いアルバイトというイメージを払拭させるため、正社員雇用を7~8割に増やし、福利厚生や人事考課なども他社と遜色がないよう改善し続けています。おかげさまで応募者の質がガラリと代わり、警備業を「サービス業」として捉えられる人材が集まるようになりました。
人や社会に貢献すれば、自然と良い人が集まり、そしてまた良い仕事をもって社会に還元できる。
そういうサイクルを、私は無意識のうちにこなしているのかもしれません。

今後の目標として、まずは警備業という仕事がもっと認知されて欲しいと思っています。
警備は圧倒的に屋外での仕事が多く、厳しい気温差や着替え場所の問題など、現場の問題は山積みです。
近年は女性警備員の数も増えていますので、早急に解決する必要があると思います。
次に、警備グッズの自社開発販売を検討しています。
たとえば立ち仕事に耐えうるソールの靴や、使い勝手のいい警備服など、現場で使える便利なグッズを開発し、警備業界で広く利用して頂きたいと考えています。
それから、警備業専門の求人サイト運営も視野に入れています。
この業界は人の移り変わりが激しいので、膨大な求人広告費がかかります。警備業専門で使い勝手の良い求人サイトが自社運営できれば、弊社はもちろん同業他社の方にも貢献できるのではと思います。
最後に、子会社で人財派遣業をスタートさせる予定なので、そちらの準備も同時並行で進めていく予定です。

若者へのメッセージ

若い世代のスタッフを見ていると、私達の時代と比べて欲が無いなと感じます。
「無駄なお金を決して使わない」「遊ばない」「いろんな意味で大人しい」といったところでしょうか。
もちろん仕事は真面目にすべきですが、仕事以外の生活もしっかり楽しんで欲しいですね。
私生活が楽しいものでなければ、どれだけ仕事に向き合っても、良い仕事はできないと思います。
それから私生活で「すごく良い車を買うぞ」といった楽しみがあるほうが、モチベーションにも繋がります。
いろいろな経験をして、自分なりの楽しみを見つけてみてください。