カナカワニシアートオフィス合同会社 Gallery owner/director

河西香奈

Kana Kawanishi

「アートの力」が人の意識を動かす

河西香奈

略歴

カナカワニシアートオフィス合同会社代表社員。KANA KAWANISHI GALLERY/PHOTOGRAPHYディレクター。幼少期をロンドンで過ごした後、フォーダム大学(ニューヨーク)へ学部交換留学、日本女子大学 家政学部被服学科 西洋服飾史研究室卒業。
2006年よりRizzoli New Yorkの書籍編集に携わる。アーティストマネジメント/編集事務所、及び展覧会企画財団を経て、2014年にKANA KAWANISHI ART OFFICEを設立、2015年にKANA KAWANISHI GALLERYをオープン。様々な展示企画や書籍出版をプロデュース。
編集・共編書籍に「ANREALAGE:A&Z」(2021年秋・Rizzoli刊)、「Decades (No.1 2000_20 Issue) 」(2020年・赤々舎刊)、「さいたまトリエンナーレ2016公式カタログ」(2016年・メディアパル刊)など。

現在の仕事についた経緯

出版のコーディネーターの活動を個人で立ち上げたのがKANA KAWANISHI ART OFFICEのはじまりでした。
アーティストの助言で、作品を取り扱うことになり、その際にアーティストにもコレクターにも信頼されるには、やはりギャラリーを構える必要があったため、一念発起しました。

仕事へのこだわり

■アート業界の入り口を開放的で入りやすく
造形や行為によって未踏の表現を深耕し、新たな世界の視座を提示するアーティストたちの仕事の結晶である現代アート作品は、知的好奇心を刺激し続ける唯一無二のものです。しかし彼らを包括するアート業界は閉鎖的で、「よく分からないもの」として括られてしまったり、ギャラリーも「足を踏み入れがたい場」と思われてしまったりしがちです。
目の前にある才能が、世の中とつながっていないのはもったいない。この垣根を取り払い、面白がられるのを待っている作品を、世界中の業界内外の人々に届けたい。これが創業に至った強い動機であり、創業以降の7年間で増強され続けてきた経営理念です。
当社が運営する東京の清澄白河にある本店(アートギャラリー)は、認可保育園のはす向かいに位置する路面店で、ガラス張りの外観と大きな開口部を生かし、業界内外の方々を広くお迎えしています。老若男女問わず、ギャラリーに立ち寄った人には「丁寧に作品の説明をすること」を全スタッフが徹底しています。
夕方、保育園のお迎えの時間帯には、まるでギャラリーが保育施設になったように、アートを楽しむ親子でいっぱいになることもあります。

■「アートの力」が人の意識を動かす
コロナ禍初頭、追加融資面談のため、金融機関の担当者の男性と一年ぶりに再会しました。彼いわく、一年前にギャラリーに来たとき、私に「分からなければ、分からないままでいいし、面白いと感じられたら、そのまま素直に面白がればいい」と言われた言葉がとても響いたそうです。それ以来、苦手意識や肩の力が抜けてアート自体に興味が湧き、他のギャラリーにも行って作品購入も検討し始めているとのことでした。
追加融資の相談時、新店舗の改装に伴い額面上の数字は落ちていました。しかし「地域からギャラリーを消してはいけない」と強い使命感を感じていただき、追加融資が実現しました。他業種の人に「アートの力」が響いたことが、何よりもうれしく感じました。
また、創業時から育ててきたアーティスト・安瀬英雄さんの作品が、「PHOTO LONDON(フォト・ロンドン)」というアートフェアに出展したことをきっかけに、大英博物館の学芸員の目に留まりました。その後、「縄文時代から現代まで」をテーマに大英博物館・日本館で企画された常設展のラストに、安瀬さんの作品が「現在の日本」を象徴する作品として公開されると、「コンセプトに感銘を受けた」と米国在住の人から新規購入の相談をいただきました。まさに当社の理念が結実した瞬間でした。
今後も地域の人たちに面白がってもらえるように、そして世界中の美術館に収蔵いただけるように、全力で邁進してまいります。

若者へのメッセージ

Life is fun.