株式会社特発三協製作所 代表取締役社長

片谷 勉

Tsutomu Kataya

志を高く

片谷 勉

現在の仕事についた経緯

弊社は昭和4年に創業され、その後昭和30年より、叔父と父により再始動致しました。
大学卒業後は一般企業に勤めていた私ですが、叔父が体調を崩し始めたのをきっかけに入社のオファーを受け、1996年1月に弊社へ入る運びとなりました。
叔父の体調は戻らず、2000年の他界をもって一旦は父が代表へ就くことになり、その後私が代表に就任したのは2002年のことです。
私の代になってから意識してきたことは、これまで特発三協という会社が大切にしてきたことを言語化し、皆で共有できるようにすることでした。
たとえば経営計画書の中に経営理念や経営方針を書き出すなどして、改めて目に見えるようにすることで、常に我々の原点を振り返ることができるよう努めてきました。

仕事へのこだわりと目標

経営理念や経営方針に照準を合わせて、日頃の業務を遂行することです。例をあげると、弊社の経営方針の1つに次のようなものがあります。
「従業員が人として成長する環境を作り、お客様の想いをカタチにする」
オーダーメイドのものづくりを行う以上、ただモノの形を作ればいいというわけにはいきません。私達には、お客様の思いやアイデアを具現化する責任があります。
だからこそ社員達にも「はたしてお客様の想いをカタチにできているのだろうか」と自問自答しながら業務に臨んでもらうよう努めています。
また、品質方針としては「全工程をつくり込み安心を提供する」と定めています。約束した納期に品物をお納めする、オーダーされた通りのものをきちんと提供する、不良品が生じた際には対策案を提示するなど、「安心」にはさまざまな定義がありますが、どれもただの作業ではなく、心を込めなければできないことです。
このようにお客様の想いを形にしながら、モノだけでなく安心もご提供する。その先にお客様の「感動」というものがあるのではないかと思います。

他社と同様、弊社もコロナのダメージを少なからず受けました。しかし今後、お客様の間でも再編や業績回復に向けての大きなムーブメントが起こると確信しています。
その流れの中では、EVを始めとする新時代のニーズへの対応もより一層求められていくことでしょう。従来おこなってきたものづくりはいわば当たり前で、さらに一段と、お客様の要求のレベルが高くなっていくはずです。
そうすると、必然的に弊社においても新たなものづくりにチャレンジしていく姿勢が求められます。新しい物事に対応していくことはハードではありますが、ポストコロナの産業復活の波に乗るためにも、1人1人の社員にレベルや精度を高めてもらうよう、社員教育・意識づけを施し、会社全体の成長に繋げたいものです。

若者へのメッセージ

新しいことを始めるときは、誰しも不安になるものです。しかし不安の原因を辿れば、それは「やったことがないから」「知らないから」という、未経験・未知ゆえの感情だとわかります。
だからこそ、まずは「ちょっとやってみる」ということが重要です。やってみさえすれば、案外簡単にできてしまうこともありますし、たとえ失敗をしても次に失敗をしない方法を編み出すチャンスに繋がります。
要は、行動する・実践することが自分を成長させ、未来をつくることなのだと思います。特に若いうちは、ちょっと無謀なことや、周囲から「あいつ勘違いしてるな」と思われるような野望を胸に秘めておくべきです。
いかなる目標を持っているかによって、先の行動が自ずと決まっていくからです。
皆さんが登りたいのはエベレストですか?それとも富士山ですか?
目標設定が決まったら、あとは一歩を踏み出すだけです。