株式会社アン・リテーリング 代表取締役/リテールコンサルタント

金谷秀則

Hidenori Kanatani

未来は全て可能性。可能性をカタチにする。

金谷秀則

略歴

高校卒業後、日本石油(現・ENEOS)系列の太平洋石油販売株式会社(現・株式会社ENEOSフロンティア)に入社。店舗勤務歴は14年。数多くあるENEOSの中でも全国トップレベルの店舗を作り上げる。
その功績を認められ、管理職として関係会社再建のために出向を命じられる。実質上の会社のナンバー2として会社の重役を担い、数多くの経験を積む。
その後、母体であるENEOSフロンティアに戻り、GM・SVを経て、2020年12月に独立。
現在は過去の経験を活かし、小売店やガソリンスタンド、自動車業界のコンサルタント、アドバイザーとして活動中。

現在の仕事についた経緯

元々、自動車やバイクが好きで、高校時代に近所のガソリンスタンドでアルバイトを始めたのが初めのきっかけです。
私にとって小売で働くのが好きだった理由は、常にお客様が見える所にいて、常に接点があることです。確かに、クレーム等のご意見を直接頂く事もありますが、良いサービス、良い商品を提供することが出来た時には、お客様の喜ぶ姿を目の前で見ることが出来、そして「ありがとう」の一言を頂けること。嬉しいですよね。
たくさん「ありがとう」と言われる仕事をしようと、そこは拘っていました。常にお客様のそばにいて、直接リアルを感じられるが事が醍醐味というか、楽しかったですね。勿論、今の仕事にも活かされてます。

そんな中、3.11の東日本大震災。あれには正直参りました。私のお店は仙台港から1キロ圏内にあったので、津波が直撃してしまったんです。
私を含め、スタッフ、その家族は全員無事でしたが、当然、店は津波の影響で営業出来ません。しかも、普段お世話になっていた多くのお客様を亡くしました。当時はショックを受けている暇もない状況で、水が引いた後は、パニック状態の中でとにかく無心で、限界まで手動で給油を続けた記憶があります。
約3ヶ月後に店を再開した時にはお客様にはとても感謝され、喜ばれましたが、その中にはご家族を失った方、全てを失ってしまった方もおられました。感謝するべきは私達なのですが、その時に色々な意味で、お客様が私達の仕事に「日頃から期待している事、求めている事」と「社会的な役割」の重みを感じ、改めて再認識させられました。

現在、ITの普及等により、店舗小売業界の売上高は年々右肩下がりです。しかし、小売店はお客様にとって重要な役割と、期待を担っています。お客様の嗜好、思考、志向、欲求…十人十色だからです。とくにインフラ関連小売業は世の中の日常生活を支えていますので、社会的役割は非常に大きいです。

自分達の仕事は、無くしてはならない、無くなれば困る人がいる…そんな中で、生き残る為の答え。それは全てお客様が持っています。
厳しい時こそ、新たな発想、創造が出来るチャンスです。私は「もっと潜在顧客のニーズに耳を傾け、あらゆる可能性をカタチにしたい」
それを実現する為に、より高い専門性を持って取り組みたいと思うようになりました。

仕事へのこだわり

仕事は遊びではないので、時には嫌になったり、辞めたくなったりする時はありますが、本来はものすごく楽しい事なんです。でもなぜか周囲の人たちは会社の愚痴ばかりで、最近、輝いている人ってあまり見ることがありません。でも、大体その原因は、会社にあると思っているんですよね。
なんだかんだ言って、未だにトップダウンの根性論&精神論が多いんです。今の企業の管理職は私達世代が多いと思うんですが、みんな【長い物には巻かれろ】状態が多いです。勿体ないと思います。

私は現場時代から、仕事する上で必ず持つべき必要な事として【仕事の楽しさ】【仕事のプライド】【仕事の遣り甲斐】の3つには拘っていました。自らは勿論ですが、部下を持つようになってからは、この3つを持ってもらえるような職場環境作りを自分の仕事としていました。ただ、その状態は自然と出来上がるものではなく、結構労力はかかります。人を使う立場の人が努力するべきところなんですよね。

あとは、小売業を営む会社が「主役」として捉えるべきは、一に従業員です。主役は社長!なんて会社ありえません。よっぽどカリスマ社長ならわかります。例えば、「半沢直樹」ではないですが、上ばかり見て、カネと酒と忖度で社長になったような会社の従業員さん達は可哀想でなりません。その社長は、ある意味サラリーマンの鏡ですよね。尊敬に値します。私は無理ですから(笑)

私は、今はコンサルタントとして仕事をしていますが、第一に【顧客の利益】を考えます。私の場合はクライアント企業様の利益と、その企業のお客様の利益です。小売は【商品を売る】ことがクローズアップされてますが、これからの小売は、商品を販売・提供して、【買ってくれたお客様の利益】を注視するべきだと思います。【売る】という行為は、その手段であると認識するんです。
主語は常に「お客様」であること。会社ではありません。本当の答えは会社にはありませんからね。

若者へのメッセージ

何事も恐れず、チャレンジ精神を持って下さい。日本のワークスタイルを変えることが出来るのは皆さんです。皆さんのバイタリティと、合理的且つ効率的な考えを前面に出して行きましょう。今の時代正解はいくらでもあります。
そして自分にとって良い人間関係を築いて下さい。
無理な忖度、ゴマすり…いりません。そして無駄な仕事は放り投げましょう(笑)。
但し【責任意識】だけは誰よりもしっかり持って下さい。時には気合と根性論も必要な場面もありますので、そこは自ら鍛え上げましょう。
未来は可能性だらけです。どんな小さな事でも構いません。その可能性をより良いカタチにして、新しい文化を創出して下さい。