株式会社ダヴィンチ・ブレインズ 代表取締役社長

石川耀弓

Kikuyo Ishikawa

たった一人の本氣が世界を変える!

石川耀弓

略歴

【元ソニーの女性エジソン】の異名を持つ、デジカメの電子シャッターの発明者!
 慶應義塾大学大学院を修了後、1982年に女性修士エンジニアの第1号としてソニー株式会社に入社。CCDイメージセンサ、CCDカメラの開発・設計に従事。デジカメの電子シャッター特許で全国発明表彰受賞、社内特許表彰の最高位『特級表彰』を2回受賞。
 やがて、技術をビジネスに変える技術経営者に転身。東京工科大学大学院でアントレプレナー修士を取得。『カーブアウトの研究』でアントレプレナー賞を受賞。
 2006年交通事故で瀕死の重態から奇跡の復活。
 地球に恩返しの出来る『地球産業』を興す為、2009年に独立起業。
現在は、中小企業のキラリと光る技術を発掘して世界に発信する【フィールウェア・プロジェクト】を主宰。
 全国の商工会議所を巡り、技術の種をお金に変える講演・指導をすると共に、慶應大学理工学部を初めとする各大学の特別講義で教鞭をとる。脳の使い方をナビゲートするブレイン・アナリストとしても活躍。
 下川眞季のペンネームで下記を上梓。
・書籍『”かわいい”のわざが世界を変える!~フィールウェアという発想~』(彩流社)
・DVD『新ビジネス・新商品開発 “目からウロコのアイディア発想法” 基礎編 ~異分野こそアイディアの宝庫~』(ものづくり革新ナビ)

現在の仕事についた経緯

 世の中に未だデジカメが存在しなかった1982年。生体工学の研究に役立てようとCCDイメージセンサーの開発を希望してソニーに入社しました。開発エンジニアとして順風満帆に見えた人生も、2006年の交通事故による瀕死の重態で激変します。
2か月寝たきり、半年車いすの入院生活を契機に、『自分は何故、死なずに生かされたのか?やり残したことは何か?』と常に自問自答するようになったのです。
 やがて2009年、リーマンショックの打撃を受けて疲弊する中小モノづくり企業の実態を目の当たりにします。それならば、中小企業のキラリと光る技術を発掘してビジネスに変え、世界に発信する仕事がしたい!
 その為に自分に出来ることは何か?
 一見、自分の仕事と全く関係なさそうに見える『異分野こそアイディアの宝庫』だった事に気づきます。ソニー時代の開発と商品化をはじめ、他社の開発事例には、この異分野からの発見力が含まれていることを発見したからです。
 2009年に独立起業して現在の会社を興し、実現できるプロセスを伝えながら一緒に実践していこうとスタートしました。

仕事へのこだわり

 仕事へのこだわりは、人のやらない事をやる『モルモット精神』を持った実践ジャーである事。この精神はソニースピリットの一つでもあります。
 新しいアイディアは若者・バカ者・よそ者が連れて来る、と言われるように、専門家や既にその分野で成功してしまった人は、保守的になり新しい事に挑戦し難くなり勝ちです。ところが、チャンスの女神はピンチのふりをしてやって来ます。実はピンチこそアイディアの宝庫なのです!
 新しいアイディアは、まず周囲から反対され、次に数々の失敗に遭遇します。
更に非難と批判の集中砲火を浴びてバカにされます。
 しかし、ここで挫けないメンタルを支えてくれるのが『モルモット精神』。
そして、アイディア発想を妨げる一番の敵は「常識」と「思い込み」です。

 ソニー時代、CCDカメラの電子シャッター開発の時は『水洗トイレの構造』という全く異分野の仕組みがヒントになって、世の中に無かったシャッター機能が誕生しました。
 独立起業後は、中小企業の精巧な匠の技に、全く異質の「かわいい」という感性を組み合わせ、新しいコンセプト『フィールウェア』を世界に発信しました。
 現在も、コロナ禍でワークショップ形式の研修やセミナーは悉く中止や延期。オンラインでは、グループワークは無理だ、という「思い込み」があったからです。その常識を覆し、試行錯誤を繰り返しながら、数社の大企業、大学で5回に亘り実現しています。
『たった一人の本氣が世界を変える!』モルモット精神を支える私の大好きな座右の銘です。

若者へのメッセージ

 人生、すぐに役立つことばかりではありません。10年後、20年後に、思わぬ花を咲かせることがあります。何故なら、時代のニーズにマッチしないと脚光を浴びないことが多いからです。

 そこでお勧めするのが「蓄積力」を身に付けること。
どんな分野でも構いません。得意な事、興味のある事への「蓄積力」があれば、常にあらゆる可能性を探求し考え続ける習慣が身についているので、失敗や他者からの批判・非難に対しても確固たる自信が裏打ちしてくれます。自分の引き出しが沢山あるお蔭で、「返し技」が豊富になるからです。

 インスピレーションは、ある日突然、降ってくるわけではありません。この蓄積量が閾値を超えた瞬間にダムの放流の如く、一気にインスピレーションが流れ始め、斬新なアイディアが湧き出てくるのです。
 そして、失敗を恐れないことです。「失敗しなかった人は何もしなかった人」です。
 
若者のみなさん、世の中の常識を覆すようなデッカイ夢を描き、失敗を糧に、挑戦する勇気をもった実践ジャーであれ!