株式会社Kanatta代表取締役社長

井口 恵

Megumi Iguchi

何をするかより誰とやるか

井口 恵

略歴

2010年横浜国立大学経営学部卒。監査法人やファッション業界での経験を経て、2016年に株式会社Kanatta(旧AIR)を創業。SDGsの取り組みの一つである「ジェンダー平等の実現に貢献する」ことを理念に、さまざまな分野での女性の活躍や社会進出を支援するコミュニティの形成に尽力している。その代表格である、ドローンの魅力を社会に発信する女性チーム「ドローンジョプラス」は約100名に成長。女性が社会で活躍する場を提供している。

現在の仕事についた経緯

新卒では公認会計士として監査法人で働き始めました。第一志望だった国際部に配属され、やりがいをもって働いていましたが、とにかく残業が多かったことから体力的な限界を感じました。男性が8割で、女性の管理職が極端に少なかったことや、ロールモデルがいなかったことも影響し、4年目で転職。
その後はファッション業界でアナリストとして働きはじめました。男女比率は真逆で女性が8割。毎日定時帰りでかなり働きやすい環境でしたが、役員はほぼ全員男性でした。
会社を変えても結局女性が活躍するチャンスは限られていることを感じ、そんな社会課題を解決したいという想いから2016年に株式会社Kanattaを創業し、ドローンジョプラス、コスモ女子、エシカルガールなどの女性コミュニティを形成しています。

仕事へのこだわり

会社員のときから拘っていたことは、短期間により多くの経験をして早く吸収をすること、チームで協力して働くことです。監査法人時代はとにかく業務量が多く、終電で帰れたら良い方という働き方でしたが、監査以外の業務も経験したかったので、定時後に翻訳の業務を引き受けたり、同期が困っていたらサポートしたり、できるだけ多くのことを吸収しようと努力していました。1年目から大きなクライアントを担当しており、細かい業務が多かったことから、なかなか全体像が見えず、焦りを感じていたことも影響していたと思います。後輩ができてからは後輩の育成という仕事も加わったので、1年目からマルチタスクをこなせるようになっていたのは良かったです。
起業してからは複数の仕事を同時進行で行っており、よりマルチタスクを処理する力が必要になりましたが、会社員のときの経験から、一つのことに集中するより色々同時並行で行うことが得意になったように感じます。
また、チームワークもかなり意識して仕事をしています。監査もそうでしたが、特に起業してから、一緒に働く仲間の重要性を痛感しています。自分ができるだけ努力することが大前提ですが、一人でできることは少ないので、みんなの力を借りてどう目標を達成するかを常に意識しています。みんな得意分野があるので、得意な仕事をして活躍してもらいたいという想いもあり、適材適所になっているかも気にしているポイントです。最初は全部自分でやってみて、任せられる人ができたらどんどん任せて、その分自分にしかできない仕事に集中する、というのが私のスタイルです。

若者へのメッセージ

これからを担う若い方々には、ぜひ自分の人生のビジョンを明確にして、それを実現するために全力を尽くしていただきたいと思います。私はとても仕事が大好きですが、仕事とプライベートひっくるめて人生なので、若いうちにどんな人生を歩みたいのかを考えて、それを実現できる仕事を選択できたことがとてもよかったです。
また、決めたビジョンを達成するために、他人になにを言われようがご自身の気持ちを貫いていただきたいと思います。私が起業すると決めたとき、ほとんど周りの友人には話しませんでしたが、相談した何人かには漏れなく全員に反対されました。せっかく会計士になったのにもったいないとか、そんなリスクを取らなくても、等々、みんな色んなことを言ってきましたが、当時の私は自分を応援してくれる人の言葉しか聞かないと決めていたのがよかったです。(とは言え応援してくれる人は経営者の方以外はいませんでしたが笑。)
今思い返せば、みんな心配してくれていただけなんだろうなと思いますが、仮にそれらの言葉を気にして諦めていたら、今の生活はないですし、何より諦めたことを人のせいにしていたと思います。私もまだまだこれからですが、みなさんも自分を信じて、ぜひ目標を達成するまで挑戦し続けてください。