敬天塾塾長

平井基之

Motoyuki Hirai

陰徳を積む

平井基之

略歴

東大受験専門塾「敬天塾」の塾長。東京大学理科一類入学。卒業後に大手塾、高校勤務を経て家庭教師で独立。
自身の教育を自らに実践すべく、30歳で「1年で東大文三に合格プロジェクト」を実施し合格。
著書に『ビジネスで差がつく論理アタマのつくり方』(ダイヤモンド社)、『笑う数学』(KADOKAWA)など。

現在の仕事についた経緯

今の日本は、良かれ悪かれ「学歴社会」であり「偏差値教育」です。学校のお勉強ができる人が良い就職をし、世の中を動かす重要なポジションに就いていきます。
そして、たくさんお金を稼いだ人が賢く、ビジネスで成功するのが正しい生き方だと、多くの人が考えています。
しかし、そのような人が、必ずしも世のため人のために働いているわけではないため、なかなか日本が良い方向に進まないと感じています。
それならば逆に、要職に就く人間が、周りの人や社会を大切に考え、動けるようになる仕組みを作ればよいのではないかと考え、敬天塾を作りました。
東大合格を目指すだけでなく、良い社会を実現する人材の通過点となるべく仕事をしています。

仕事へのこだわり

日本人は親や先生を尊敬する割合が低いと言われますが、その原因が教育にあると思います。
親は、野球中継やテレビドラマを見ながら、子供に勉強しろと言いますし、先生は職員室でお茶を飲んで同僚と雑談しながら教室で生徒に勉強させています。
私は、これは良い教育ではないと思い、二度目の東大受験をしました。
元々理系の私が、苦手な文系科目を克服し、1年で東大に合格した実績があれば、少しは頑張っている先生もいるんだというのを見せられると思ったからです。
おじさんになってから受験生に戻って感じたプレッシャーや孤独感は今でも大切な宝物です。
現在も学ぶ姿勢を大切にしようと思っており、集団授業ではなく、ゼミ形式を主体にしています。ゼミ形式となると私も生徒と同じくらいの授業の準備が必要になりますし、フラットな関係で生徒に混ざって私も学んでいます。
また、こだわりとして、敬天塾では生徒に必要なことだけをやろうと思い、利益目的のサービスを徹底的に省きました。例えば、塾や予備校は授業をすることで売上を出すのが一般的ですが、生徒に不要な授業は全て中止して、生徒の自習時間を多く確保できるようにしています。ビジネスとしてはバカなやり方ですが、日本の未来や生徒の未来のために必要なことは全て実施しようと思っています。
東大合格のためには、生徒と1対1で話すことも非常に重要です。実は東大受験生といえども、「学び下手」な子が多く存在します。
これは、集団授業はもちろん、ゼミ形式でも正せません。1~2時間のカウンセリングを何十回も行い、ようやく改善してきます。しかし一旦「学び上手」になったら一生の財産です。
このように、教育を舐めずに真摯に接することを心掛けています。

若者へのメッセージ

私が若いころに聞いて衝撃を受けた話をご紹介します。
もし「10歳若返る薬」が売っていたら、値段はいくらになるでしょうか。
恐らく世界中のおお金持ちが何億円、何兆円払ってでも欲しいというでしょう。
さて、私は30歳代半ばです。すると20歳や25歳の若い方は、私からしてみれば何兆円もの価値がある時間を持っているのと同じです。
お金に換算するのは下品かもしれませんが、それくらい時間は貴重です。
若いころは失敗してもやりなおせますし、許されることもあります。ぜひ、たくさん学び、恋愛をし、稼ぎ、様々な経験をしてください。
しかし、よかったら、ちょっとずつでも良いので、お世話になった人や社会のことを忘れずに、恩返ししていってほしいと思います。
どんなに偉い人でもお金持ちでも、自分一人で作れるものや実現できることは一つもありません。必ず誰かに支えられて生きています。
無茶して自分より他人を優先する必要はないと思います。あくまで自分の人生を幸せに過ごすために一生懸命に力を蓄えて、余った力で誰かを支えてあげられるような優しい心を持ってほしいと思います。