ナリコム株式会社 代表取締役社長

胡 高業

Takanari Ebisu

夢はでっかく根は深く

胡 高業

略歴

2013年、渡米しニューヨーク州の高校、大学、社会人を経験。7年の間に10以上のジムに在籍し、いろんな形のジム運営のパターンを見る。2017年より、アーノルド・シュワルツェネッガーとトレーニングをしていたトレーナーから受けた指導をもとに、知人たちにトレーニングを教える。2018年にはニューヨークにて家庭教師として小学生に英語、算数、そして2014年に始めた総合格闘技の経験を活かして体育を教える。
2020年にコロナにより日本に帰国後、現職業の為に行動心理士資格、ボディメイクインストラクター資格、国際救急救命協会 C.P.R Basic+AED資格を取得。その後、都内のEMSのパーソナルトレーニングジムにて修行をし、2021年にナリコム株式会社を創業。2022年1月にナリジム/ナリサロン/ナリスタジオ赤坂本店をオープン。

現在の仕事についた経緯

コロナと共に生きなければならない今、自粛生活が続き健康状態が悪くなってきている人が多く、大衆型ジムよりもパーソナルトレーナーや個室のレンタルジムを借りて、安全にトレーニングしたいという方が増えてきました。どこのジムに行っても、「絶対に満足のいく設備」が整う施設は見つかりにくいものです。
そこで、設備のしっかりとしたレンタルジムを作り、「個人事業主としてレンタルしたいが、充実したジムが見つからない人」のために、場所を提供したいと思いました。周りのマッサージ師やセラピストから話を聞くと、個室でレンタルできる所がなかなか見つからないということだったため、コンセプトが似ていたこともあり、そのような場所も提供したいと思い至りました。また、健康維持の一つとしてダンススタジオ、ヨガスタジオも提供したいと思いました。

仕事へのこだわり

「お客様は神様だ」今の時代、これを思っている人はどれほどいるでしょうか。「お客様は店側で選んでいる」というような言葉は、最近よく耳にします。しかし私は、やはりお客様は神様だと思います。それはお客様がいなくてはお店は成り立たないからです。どんなお客様が来ても神様のように接する、これが私の仕事に対するこだわりです。お店に害を与える客は神様ではない、ということなのかもしれませんが、災害を起こしているのも神だと言われています。災害を起こしている存在は神ではないのでしょうか。人々は昔より、神がどれだけ人間に害を与えようが神を崇め奉ってきました。つまりそれと同じことなのだと私は考えます。

そして、接客に対するこだわりもあります。接客とは「客を接待すること。」これはインターネットで調べたときに真っ先に出てくる接客の意味です。これはもちろん正しいです。
そこで、私は接客とは、お客様と企業側をconnect(接続)することだと思っています。そしてそのconnectionは、弱くては意味をなさないと考えています。しっかりと密に接することが必要とされています。どれだけ強力な接着剤があったとしても接触が一瞬だけだとくっつくことが難しいですよね。
よくこういう話を聞きます。「お金を稼ぐことが1番」「お金を持っていれば人が寄ってくる」「お金には人を魅了する力がある。」これを完全に否定をしようとは思いませんが、私はそれが全て正しいとも思いません。
接客業において、お金が発生するということは、お客様が接客してくれたことに対してお金を払う価値があると判断したからです。つまりそれはお金があってのことではなく、お客様を喜ばせるために密のある接客をし、それが価値あるものだと評価された後に自然とついてくるものなのです。無理に意識しようとせずとも、お金は後からしっかりとついてくると私は思っています。

若者へのメッセージ

「何とかなる。」これは私が小学生の時から事あるごとに言っていたフレーズです。
いくら成績が悪かろうが、夏休みの宿題をやってなかろうが、大好きだった女の子にフラれようが、実際に何とかなってきました。中学校を卒業し、全く英語が話せない状態で米国のニューヨークに渡ることが決まっていた時、勉強しなさいと親や先生に散々言われました。その時も私は「何とかなる。」と言っていました。周りの大人たちは皆呆れていました。
実際に私は7年間アメリカに滞在し、日本に戻ってきて、今の仕事をしています。つまり、何とかなったという訳です。もちろん何とかなったのは、何もしていなかったわけではありません。英語が分からなかった私は、人一倍英語を勉強しました。日本語を完全に封印した時期さえもありました。夏休み最後の日に、血の汗を握り、溜まった宿題を終え、大好きだった女の子に振られた時は心の底から泣きました。
もちろん「何とかなる」と言うのは責任感がなく聞こえるかもしれません。しかし、私がそれを言う時は、それに自分なりに思いを乗せ、その時を精一杯に生きてきました。
もしかすると、今、「将来の夢がないからどうしよう」だとか、「夢に向かって頑張ってるが、なかなか手が届きそうにないから無理だ」とか、「大好きな恋人と別れそう」とか、毎日悩んでいる人がいるかもしれません。もちろん私は相談をされたら出来る範囲のアドバイスをしようと試みます。しかし、決まって最後にはこう言って終わります。「でも何とかなるよ」と。
その時が辛かろうが、苦しかろうが、その時を精一杯生きる。これが全て何とかなってきた私が言える、最大のアドバイスです。そう、「人生、なんとかなるよ。」