株式会社パラリア代表取締役社長

浅見貴則

Takanori asami

自分が得るより多くの価値を創造する

浅見貴則

略歴

東京工業大学 工学部経営システム工学科卒業 同大学大学院へ進学。修士一年次に株式会社パラリアを起業。学習空間と自習を研究し、オフィスレイアウトの知見を学習塾に応用。埼玉と東京に学習塾を一校ずつ、また埼玉に有料自習室を一校展開。同大学博士課程に進学後、大手数社でアンケート調査設計やデータ分析等のお手伝いもしている。

現在の仕事についた経緯

自分が浪人していた時の塾の先生がきっかけです。その先生はかなり高齢の先生で、塾講師一筋40年のベテランでした。昔ながらの授業で、怒鳴ったりもするので、生徒から不評でしたが、数学だけは本当に凄いのがハッキリ伝わりました。自分だけしつこく質問に行っていたところ、少しずつ相手をしてくれるようになりました。直接話してみると面倒見のいい先生でした。その先生から数学だけでなく多くのことを教わりました。先生のおかげで自分は偏差値を上げて目標の大学に合格することができたと思います。「教えるのが好き」とかそういうレベルではなく、たとえ周囲から煙たがられている存在だとしても、確実に自分の人生を変えてくれた先生を、「世間体にとらわれずに人の人生を変えるかっこいい大人」と捉え、自分もそうなりたいと強く思い、今の仕事をしています。

仕事へのこだわり

仕事へのこだわりは、指導者側の都合で教育サービスを行わないことです。
教育業界は、一般的には学習指導という曖昧なものによって対価をいただく業界です。経験豊富な先生が一対一で時間をとっても、映像授業を見せるだけでも、対価が発生したりします。企業として効率を高め、利益を上げようとすればするほど、指導をいかに楽に低コストでできるかと考えざるを得なくなります。これが教育サービスの構造上の問題と考えています。
この問題を解決するために、企業として利益を大幅に上げて拡大することではなく、存続することを目的とした上で、未来の人材に投資し続けることを主目的として活動しています。そのため、「一人ずつ教えるのは大変だから大教室に大勢の生徒を入れて授業を行うこと」や「維持コストがかからないから映像授業」などという発想がでないような業務体制をとっています。
企業が問題解決をする対象の人全員に価値を提供するモデルではありませんが、縁あって直接関わる人には最大限できることをやる企業文化の中で、収益性を一切排除して、お客様(主に高校生とその保護者)のためにできることを可能な限り行うことによって、喜んでいただくことが我々のスタイルです。
同時に、このスタイルを貫くためには、自分自身も日々成長し、お客様にできることを増やしていく必要があります。自分自身が向上心を失わないような環境を自らつくり出し、その環境で毎日全力を出すことが、仕事をする上での自分との約束です。

若者へのメッセージ

勉強でもスポーツでも何でもいいので、全力で何かに打ち込むことが大切だと思います。今の時代、情報が多すぎるため、いろんなものに目移りして、結局自分の強みをつくりきれないまま、さらに今やっていることが自分がやりたいことなのか、周囲から影響されたものなのかもわからなくなってしまいます。情報の渦にのまれ、強みをつくれない中途半端な状態になることがリスクになると考えています。打ち込むものが社会的に正解かどうか等は、むしろ積極的に無視する程度でちょうどいいと思います。社会的に「正解」とされているルートは、自分のやりたいことを我慢して思考停止した多くの人が歩んでいるためです。そういった、周囲と比較されながら生きていく人生にすると腹をくくるのであれば、社会からの要求(周囲から求められること)にただ答えていけばいいだけですが、AIを含め競争相手が多く、存在価値が出しにくくなっていきます。多様性が認められ始めた現代では、オンリーワンを目指す方がハードルが低く、さらに周囲の目を気にせず無理をせず、自分らしく生きていくこともできると思います(当然、やりたいことで生きていくための苦労もあります)。自分がやりたいことを周囲の要求によって忘れてしまわないようにしながら、全力で打ち込むことで見えてくるものがあると思います。