WHO国際基準カイロプラクター

朝倉穂高

Hodaka Asakura

人間万事塞翁が馬

朝倉穂高

略歴

長野県茅野市出身。健倖A&Hマネジメント代表、ナチュラルケア水道橋外来センター院長。
2002年、豪州ビクトリア州立ロイヤル・メルボルン工科大学(RMIT)健康科学部カイロプラクティック学科卒業。WHO国際基準カイロプラクター。RMIT卒業後、ニューヨークに留学する。Dr.John Belmonteに師事、アシスタントを務めながらカイロプラクティック業務について学ぶ。共同経営する治療院を経て、現在ナチュラルケア水道橋外来センター(文京区本郷)で臨床を行っている。病院の検査では異常がないにもかかわらず、慢性的な痛みでお困りの方たちの改善に取り組んでいる。
著書「腰痛が人生を好転させる」、監修「心のブレー菌」など執筆・制作を通じて、心と体が楽になるような啓蒙活動も行っている。

現在の仕事についた経緯

子供の頃、母親が腰痛持ちでした。その母親の通院に付き添っていたことがきっかけで、手技療法の世界にふれる機会がありました。そして中学生の時、地元地域の不思議な床屋さんとご縁がありました。
何が不思議かといいますと、床屋ですからその方は理容師なのですが、骨董品集めの趣味が高じて古物商もされており、大変ユーモアがあり博識な方だったからです。その関係で、中国に買い付けに出かけた時に東洋医学の師と出逢い、手技の手ほどきを受けたそうです。
その時の話や東洋思想の話が面白かったため陰陽論に興味を持ち、鍼灸師を目指しました。しかし、鍼灸大学の受験は失敗…。他の鍼灸専門学校を受験した帰り道、たまたま手にした1通のパンフレットから「カイロプラクティック」のことを知り、RMIT大学に進学しました。こうした偶然が重なった結果、カイロプラクターになったのです。

仕事へのこだわり

仕事へのこだわりは、本質を追求することです。元々は子供の頃から「どうして?どうして?」と大人や先生達に何でも質問をする性分だったようです。どうしてそのようになるのか?どのようにして物が成り立つのか?などを知りたいという欲求が人一倍強かったように思います。
現在の仕事でも、教科書通りとはいかず、臨床では矛盾することだらけです。構造的、生理的、病理的、精神的な問題にせよ、「なぜそうなったのか?」を突き詰めて考えていくと答えにキリがありません。
よく我々の業界でも「根本的な問題解決をする」などと謳っている治療院が数多くありますが、全くもって根本的ではありません。「骨盤の歪みが原因です」、「姿勢の問題です」、「物を持ち上げる時の持ち上げ方が原因です」、「椎間板ヘルニアが腰痛の原因です」、「脊柱管狭窄症が腰痛の原因です」などなど挙げるとキリがありません。
これらは一見、原因のように思いますが、なぜそうなったのか?までは説明できていません。仮にそのようになった原因を見つけても、さらに深い原因があるのです。そうしますと、どこまで掘り下げていっても原因の原因がありますので、根本的な問題を解決することはできません。
このように人間というものを掘り下げていくと、必ず行きつく先は「人間とは何か?この宇宙とは何か?」といった壮大なストーリーが待ち受けているのです。よって「これが原因である」と一つに絞ることは不可能でも、多様な視点を持ち、本質的に物事を見ていくと、具体的にも抽象的にも考察できるようになります。時には焦点を絞り、時には俯瞰して全体像を考えながら仕事に取り組むことが大切だと思います。

若者へのメッセージ

時代によって生き方や考え方のトレンドがあっていいと思います。新しいことをどんどん発明し、適応していくことが大切だと思います。特に現代社会は、我々が過ごした青年時代とは比べ物にならないほど、情報発信の量とスピードが加速しています。そのため情報を適切に選択するリテラシーが必要になってきます。
古いと言われるかもしれませんが、日本人としての「在り方」、現代風に言えば「アイデンティティ」をしっかりと持って欲しいと思います。それには、歴史と文化を学ぶことです。「歴史は繰り返す」と言われるように、人間は同じ過ちを何度も繰り返しながら成長していきます。チャレンジして失敗することは恥ずかしいことではありません。なぜ失敗したのかを考え、次にチャレンジした時には進化成長しかありません。分からないことは分かる人に素直に教えを請い、自分が分かることは分からない人に教授すると学びは深まります。
最後に繰り返しになりますが、学問だけでなく、人として、日本人として、我々のご先祖様達がどのようにして暮らしてきたのかをしっかりと学んでいただきたいと思います。その学びが自分たちの「魂を覚醒」させ、世界に誇る日本人になるでしょう。過去から学び新しい時代を築くため、若いうちにたくさん失敗し、勇気をもって恥をかこうではありませんか!