宗教法人 泰岳寺 副住職

泰丘良玄

Ryogen Yasuoka

笑う門には福来る

泰丘良玄

略歴

慶應義塾大学理工学部情報工学科を卒業し、花園大学文学部国際禅学科で禅を学んだ後、愛知県の徳源寺専門道場で禅修行。
現在、臨済宗妙心寺派泰岳寺の副住職。
2016年に臨済宗妙心寺派の布教師を取得し、仏教や禅の布教にも努める。
2021年には(公社)春日井青年会議所の理事長を務め、地域貢献や社会活動でも活躍中。
著書に『人生はブレていい。』(ワニブックス)、『身の回りには奇跡がいっぱい!一日一禅』(セルバ出版)など多数。


【メディア出演歴】

2014年9月~2017年2月 TV出演 テレビ朝日「ぶっちゃけ寺」
2018年5月/7月 TV出演 フジテレビ「バイキング」 コメンテーター
2018年9月~2019年3月 TV出演 メ~テレ「アップ!」 コメンテーター
2019年6月 TV出演 テレビ朝日「お願いランキング」 じゃぱにぃ寺

2015年9月 ラジオ出演 FM東京「アポロン」 家活
2015年12月及び2016年4月 ラジオ出演 ZIP FM「MORNING CHARGE」 TOYOTA HYPER CHARGER

2014年3月 中日新聞 お寺もっと身近に
2020年6月 読売新聞 記者が〇〇やってみた「オンライン坐禅会」

2019年9月 雑誌「大法輪」 鉄笛(エッセイ)
2020年3月 雑誌「PHPスペシャル」 振り回されない練習
2020年5月 雑誌 リクルート「Works」 人事、仏に学ぶ
2020年8月 雑誌「素敵なあの人」心地いい空間と心のととのえ方

現在の仕事についた経緯

お寺で育った身で恐縮ですが、身近にあり過ぎたことから仏教の有難みを感じられず、幼少期は仏教を信じていませんでした。その反発心のせいか読書や国語が苦手で、理系の科目が得意で好きでした。学生時代も情報工学を学び、ICT業界への就職を夢見ていましたが、お寺の長男であることから諦め、中途半端な志で仏教の世界へ入りました。
しかしながら、そこで初めて論理的なお釈迦様の教えを知り、仏教や禅の世界に魅了されました。それ以後、禅寺の修行も経験し、それまでの価値観は一転し、今は仏教が大好きで、その教えを心から信じています。
一度違った分野を歩んだからこそ、仏教や禅の魅力、そして今の僧侶の道の面白さに気づけたように思います。

仕事へのこだわり

仏教の世界は60代でも若手で、生涯修行中だと言われます。私も修行時代には師匠から「若いうちは、精一杯の声を出してお経を読むなど、とにかく目の前のことを一所懸命にやりなさい」と教わりました。ですので、20代後半で修行道場を出てからは、ただがむしゃらに、目の前のご縁を大切にして、受けたオファーは断らず進んで参りました。
出版やメディアへの出演など業種の違う分野に足を踏み入れると、色々と厳しい意見を頂くこともあります。しかしながら、若い僧侶にしかできない役割もあり、どんなことでも己次第で成長に繋がると信じて、30代は何でも挑戦するつもりで活動しています。

様々なことに挑戦すれば、楽しくて良いこともあれば、辛くて悪いこともあります。そこで大切にしているのは、禅の教えにある「日日是好日」。「一日一日は好い一日である」という教えですが、人生に失敗は付き物で、理不尽なこともあるように、決して良いとは思えない一日もあります。けれども、禅では毎日は必ず「好い」一日であると説きます。即ちこの「好い」とは、自分にとって都合が良いのではなく、どんな一日も「かけがえのない一日」にかわりは無く、自分都合というフィルターを外せば、一日は必ず有難く好い一日であることに気づけるという教えです。

仕事をする上では、失敗や挫折、人に迷惑をかけてしまうこともあります。けれども、その都度自らをしっかりと顧みて、反省して今後に活かしていけば、その経験は活きる教訓となって今後に役立ちます。何事も捉え方一つで人生の糧となり、自分勝手に考えてしまいがちな迷いと常に向き合いながら、一心不乱に仕事に邁進できる僧侶でありたいと思います。

若者へのメッセージ

私自身がまだ若輩者なので、偉そうなことは言えませんが、とにかく目の前のご縁を大切にして、一所懸命に生きて欲しいと思います。以前に先輩から「ご縁は選ぶものではなく、天から降ってくるもの。だから若いうちは頂いた仕事は断ってはいけない」と教わりました。もちろん経営の面から事業が成り立たないのであればいけませんが、そうではなくて自分が少しでも成長できると思えば、一歩でも進んで挑戦すべきだと思います。「成功の反対は失敗ではなく、やらないこと。」若いうちは様々なことに挑戦して、色々な分野を見て、見識を深めていただきたいと思います。
また、挑戦する中でも決して忘れてはならないのは、自分は周りの「おかげさまで生きている」ということ。物事を成し遂げた際は、決して自分の成果だけではなく、必ず周囲の手助けや協力があったからこそ成り立っています。人は、一人の力だけで出来ることは決してあり得ません。周囲の人間や環境、強いては自分がお世話になった先輩や恩師、そして仲間や家族がいたからこそ、今の自分が存在しています。それを決して忘れることなく、常に謙虚で素直な心をもって、人生を謳歌していただけたら幸いです。