エフシースタンダードロジックス株式会社 代表取締役

田井泰志

Yasushi Tai

常に一生懸命

田井泰志

略歴

関西大学商学部を1995年卒業後、大阪の通関業者で5年勤務、その後独立し、今に至る。

仕事へのこだわり

私は仕事を遊びのようにエンジョイしています。遊んでいる時も、仕事を意識しています。
ワークライフバランスではなく、ワークライフBLENDといったスタイルでしょうか。
なぜそんなことが実現できたか?
私にも分かりませんが、明確なのは、私が企業の経営者だからできたのではないということです。
これが私の生き方です。

企業の経営者になる前の若い時、アルバイトで物流倉庫の出荷作業をしていた事を思い出します。
人の倍ぐらい走り回り、誰かに命令されたわけではなく、一生懸命早めに出荷できるように働いていました。
中途半端は大嫌いでした。今でも同じように、常に全力疾走しています。
とても感銘している、建築家の安藤忠雄さんの言葉を借りると、“常に一生懸命を走り続けると、病気も私を捕まえられない”。若い時に、他人よりは多く働いた事を覚えていて、損か得か自問したこともありました。その時、答えは得られませんでした。

今になり答えがはっきりとわかってきました。
目標に向けて、働き過ぎだと自覚するくらい働いて、私自身はとても幸せでした。多くの人にも幸せをシェアできていると思います。一生懸命に働いているうちに、多くの知識を吸収し、思考能力を上げ、世界への視界が広がり、脳も、体も若さを維持できました。

遊びも同じく一生懸命に。旅行が好きで、アジア、ヨーロッパ、オセアニアなど多くの場所へ旅行に出かけました。ヨーロッパ旅行であれば、旅行の前に知識をいっぱい詰め込み、塩野七見さんの【ローマ人の歴史】を47冊読み切り、アウグスタスが通ったアルプスの道を自身の運転で奔り、古人の足跡をたどってみました。最長の一回は4,000kmを自分で運転し、現地の民俗、食べ物、住居、景色を貪欲に楽しみました。

旅行中でも時々仕事のことを考え、結局、ワークとライフが分かれておらず、常に生きている、一生懸命生きている実感を得ている瞬間、それが私の幸せでした。
これからも仕事と生活をうまくBLENDし、中途半端と絶縁し、新たな発見をしていきたいと思います。

若者へのメッセージ

偉そうなメッセージは送れませんが、私は企業経営者のため、面接する機会が多く、その経験から若者にとって参考となるような事があれば嬉しいです。

「達成意欲」
社会人生活の中では、結果を出す事に仕事の意義が生まれます。この面において、達成意欲はとても大切です。
途中で投げ出すような人に、企業は仕事を任せられません。
しかし「短期間で結果を出す」事は難しいテーマです。私の「常に結果を出す」習慣は、子供の頃の無意識な訓練で育まれました。
私は数学が好きで、大学では数学を専攻しました。
簡単な課題の解決に喜びを感じ、難題に何時間、何日間もめげずに考え耽ることを訓練してきました。この時、忍耐力と持続力が鍛えられました。数学の内容は忘れてしまいましたが、問題に集中し解決する機能は脳に刻まれました。

「粘り強さ」
今でも、レディーガガのメッセージを読むたび、心が打たれます。
「今、自宅のソファに座りながらこの様子をテレビで観ているあなたにこれだけは言わせて。これは努力の賜物以外の何物でもないの」と涙を浮かべながらガガは言いました。「長い間、本当に一生懸命がんばってきた。勝つためじゃない。大事なのは諦めないこと。夢があるなら、闘って勝ち取って。情熱には掟がある。たとえ何度拒まれ、何度叩きのめされたとしても、大事なのは何度でも立ち上がり、勇気を持って続けることなの」
目標を理解し、立ちはだかる困難は乗り越えるためにあるものと、年を重ねた今、私は困難を楽しんでいます。

「柔軟性と適応能力」
学生時代はいろんなアルバイトを経験してください。1週間あれば、私はどのような職場でも、溶け込めました。様々なアルバイトを経験すれば、適応能力が身に付き、見識が深まり、柔軟性が向上し、新たな環境に順応する自信が出てきます。ぜひ、若いうちにたくさん経験してください。