株式会社バードリンク 代表取締役 / リラヨガ・インスティテュート 代表

乳井真介

Shinsuke Nyui

Great Day Every Day!

乳井真介

略歴

リラヨガ・インスティテュート代表。
ヨガ講師、ヒーラー、ライフコーチ。東京都出身。早稲田大学第一文学部哲学専修卒業。
2004年に都内大手ヨガスタジオの立ち上げに参加。全国12店舗のインストラクターを統括するディレクターとして、新規スタジオの設立や新人インストラクターの育成に携わる。
2006年より代々木にある大手ヨガスクールの設立に共同経営者として参加。2年間で200名以上のヨガインストラクターの育成に携わる。
2008年、自身の追求する理想のヨガスクールを形にするため独立。東京目黒の学芸大学にリラヨガ・インスティテュートを設立する。それまでに学んださまざまな優れたヨガのエッセンスを再構築し体系化した「リラヨガ・インスティテュート」を普及させるために活動を開始。
13年間で会員数が2,000名を超える日本有数のヨガスクールへと成長させる。これまでに指導した生徒の数はのべ3万人、養成に携わったインストラクターの数は1,200名を超える。

現在の仕事についた経緯

10代後半から20代前半、人はなぜ生まれ、なぜ生きるのかという哲学的な問いにいつも悩まされていました。大学では西洋哲学を専攻し、来る日も来る日も大学の図書館の中で答えを探しましたが、一向に見つかりません。重度の鬱状態の中で、新卒で就職した出版社を1年で辞め、自分探しに出かけたインド行きの飛行機で、隣に座ったインド人に勧められたのがヨガの聖地リシケシでした。軽い気持ちでアシュラム(ヨガの道場)にステイしながらヨガ哲学の授業を受け、アーサナ(ポーズ)や瞑想をやって心と体を整えてみると、思考がクリアになり、不思議とそれまでの悩みが晴れていきました。

その後営業マンや現金輸送の警備員などをやりながら、お金を貯めてはインドに行き、様々なヨガの聖地を巡る旅を続けていくうちに、自分の人生を変えてくれたヨガの知恵を過去の自分と同じように人生に悩んでいる人たちに伝えて生きていきたいと思うようになり、ヨガインストラクターになることを決意しました。最初はワンルームのマンションの一室で始めたヨガ指導でしたが、ヨガブームに乗って生徒の数はどんどん増えていき、ご縁があって大手のヨガスクールで指導者の養成に携わりながら全国を飛びまわる日々を送るように。忙しい毎日を送る中で、自分の理想を形にしたヨガ指導の場を作りたいという思いが強くなり独立。2008年にリラヨガ・インスティオテュートを設立しました。

仕事へのこだわり

私がいつも心がけているのは、本物でありたい、本物を伝えたいということです。そして、そのためには一生学び続ける姿勢が大事だと思っています。

私のヨガとの出会いはインドでした。インドはヨガの発祥の地であり、数千年に渡りヨガの智恵を育んできた精神的な土壌を持っています。ヨガというと美容法や健康法、ストレッチ法のようなイメージが強いかもしれませんが、本来ヨガは世の中の浮き沈みに左右される事なく、心穏やかで豊かな人生を手に入れるために作られた古代インドの賢者たちの智恵なのです。

ヨガの経典に記されている教えを一つ一つ忠実に実践していくことで、身体が変化するばかりでなく、心も変わり、人間性全体が変化していきます。ヨガを教えることの醍醐味はスクールに来る生徒のそのような人間性の変容を日常的に目の当たりにすることができるところにあると思っています。

もちろん最初から今のように上手く指導できた訳ではありません。お恥ずかしながら、20代で初めてティーチャートレーニングのリードを任されたときは、自分の技術が未熟すぎて、自責の念に駆られたり、先生と呼ばれることで生徒の皆さんに対して傲慢な態度をとってしまうこともしょっちゅうでした。度重なる反省のもと、トレーニングを通じてインプットした智恵や技法をアウトプットして、上手くいかない部分はさらなるインプットを繰り返す。インドだけではなく、世界中を各巡りながら有名なヨガや瞑想の指導者がいるという情報を見つけてはティーチャートレーニングやワークショップに参加することを繰り返していく中で、不要な技術を捨て、本当に使える知恵と技法を厳選することで今の私のヨガスタイルは確立しました。

最近ではヨガだけではなく、自然治癒力を高めて痛みや不調を取り除くためのヒーリングやセラピーの技法の習得にも力を入れるようになり、3年ほど前にセラピスト養成のためのスクールも開設しました。また、経営者仲間や、格闘技やダイビング、温泉巡りなど趣味の領域を通じて知り合った仲間たちとの交流も私のヨガ指導に大きな広がりをもたらしてくれています。これからもヨガに限らず、一生新しい何かを学び続けていきたいですし、そこで出会う仲間たちとのつながりを楽しんでいきたいと思っています。

若者へのメッセージ

自身のスクールの経営を始めて10年が経とうとしていた頃、それまで順調だったスクールの経営が悪化し、どう足掻いても売り上げが伸びない時期がありました。そんな折に趣味の格闘技で左足の全十字靭帯を断裂。手術を受け、車椅子生活からリハビリを繰り返す日々を送らざるを得なくなり、ヨガ指導も満足にできなくなってしまいました。健康が売りのヨガインストラクターにとって致命的なことです。

資金繰りが悪化し、一歩歩くだけでも激痛が生じ顔を歪めなければいけない。そんな失意のどん底で、それまで自分一人で取り組んできたヨガ指導や会社の経営を他人に頼らざるを得なくなったのです。それまで自分は一人で何でもできる、自分と同じパフォーマンスは絶対他人には無理と思い込んでいたのですが、窮地に立たされたことでそんな自分自身の思い込みを全部手放しました。

するととても優秀な経営コンサルタントの先生との出会いがあり、それまで伸び悩んでいた売り上げは一気に回復。弟子たちが頑張って一気に成長し、安心して私の右腕として仕事を任せられる存在が何人も出来ました。現在はコロナによって廃業するヨガスタジオが多い中、好調な業績を保ち、私の代わりにヨガ指導に携わってくれるチームと共に自由に時間を使いながら仕事を楽しんでいます。

若者の皆さんに伝えたいのは、ピンチはチャンスであるということ、そして一人でできなかったら仲間を探すことです。もしかしたら今人生が辛くてしょうがないかもしれない。でも、ピンチの中には本当に自分自身を成長させる成長促進剤が必ず仕込まれています。そして一見乗り越えられないように思える壁も、仲間の力を借りて一緒に登ったら嘘のように簡単に乗り越えられたりするんです。そうやって仲間と一緒に乗り越えた壁はお金では買えないみなさんの人生の一番の宝物になるはずです。私はこのことに気づくのに時間がかかりました。でもみなさんならもうできるはずです。よ〜く目を凝らせばみなさんのすぐそばに、そんな人生の冒険を一緒に楽しめる仲間が待っているはずですよ!