株式会社ユニラボ 代表取締役CEO

栗山規夫

Norio Kuriyama

質実剛健

栗山規夫

略歴

2003年に三菱商事株式会社へ新卒で入社後、2004年株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。
Eコマース営業部長、ECビジネス部長を歴任後、2009年最年少で同社執行役員に就任。2011年からマーケティング統括執行役員として全社のマーケティングプロモーションを担当。EコマースやSNSなど、数多くの新規事業立ち上げに関与した経験を持つ。
2012年に株式会社ユニラボを創業。2014年からBtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」の提供を開始。「受発注を変革するインフラを創る」をビジョンに掲げ、ベンチャーキャピタルから出資を受けず、サービス開始からわずか1年半で単月黒字化、3年目に通期黒字化を果たした。約7年間の自己資本経営の後、2019年に初となるベンチャーキャピタルからの出資を受け、現在は上場に向けて主に新規事業を推進する。

現在の仕事についた経緯

私の実家は北海道で、地元の中小企業の方々が事業にご苦労されているのを目の当たりにしてきました。その時は、それが将来の自分に何か影響を与えるとは思ってもみなかったのですが、実は今の事業を始めるきっかけの一つになりました。

大学卒業後、新卒で三菱商事に入社しましたが、もっとスピード感をもって成長したいと思い、周囲に反対されながらも2年目で転職の道を選択しました。
その転職先というのが、まだ創業6年目だったディー・エヌ・エー(DeNA)です。

当時DeNAはECサイトをメインに事業展開しており、業界の立ち位置としては2番手でした。1番を選ぶという選択肢もありましたが、背中を追うほうがより大きな成長ができると考え、あえて2番手を選択したのです。以降、一貫してECプラットフォームを担当しました。
DeNAでの事業推進を通じて、日本の法人の99%以上を占める中小企業は、大企業に比べてヒト・モノ・カネ・情報が圧倒的に不足していると身をもって感じましたし、また、BtoB領域でのIT活用はBtoC領域のそれに遠く及ばないということにも気づきました。

特に企業間取引は、非常に旧態依然とした領域です。例えば、発注側においては、日本の商習慣から個人の経験や勘で情報収集や意思決定をしているケースが多いですし、受注側においても、依然として「人」を介した営業から脱することができず、資金及び人員コストをかけられない企業が販路拡大に苦労しています。また、企業探し、見積り取得など、意外と効率化が進んでおらず、担当者にとっては時間と労力がかかるものです。
このような状況を目の当たりにしたことで、地元での原体験も蘇り、日本のビジネスにおいて大多数を占める中小企業を支援しつつ、旧態依然とした企業間取引に残る「不」の解消をしたいと考え、2012年10月にユニラボを立ち上げました。

現在は、「受発注を変革するインフラを創る」をビジョンに掲げ、BtoB受発注プラットフォーム「アイミツ」を提供しています。「アイミツ」は、何かを発注したい事業者と、案件を受注したい事業者を適切かつ効率的につなぐサービスです。発注に慣れていない方に対しては、当社のコンシェルジュがきめ細かくサポートします。
まだまだ道のりは長いですが、「受発注を変革するインフラを創る」を実現するべく、社員一同邁進しているところです。

仕事へのこだわり

こだわりは「努力は裏切らない」ということです。

DeNAでは仕事をどんどん任せてもらい、私自身も仕事に没頭しておりました。お金をもらって勉強させて頂いている感じで、それに従ってぐんぐん自分が成長していったと感じました。20代半ばで人の上に立ち、会社の経営に触れるようになり、その結果、起業するという選択を選ぶに至ったのです。

起業後は、会社が大きくなるに従って様々な成長痛を感じる日々で、正直、何度もつぶれそうになりました。それでも努力を重ね、まだまだ道半ばとはいえ、ここまでやってくることが出来ました。

今は非連続の日々だからこそ、「質実剛健」「まっすぐ」という言葉を大切にしています。肉体的にも精神的にも清らかな強さ、そして飾り気のない真面目さは、トップに求められる資質ではないでしょうか。また、顧客に、チームに、成すべきことに、「まっすぐ」な気持ちで向き合うということも重要です。

起業して来年で10年となる中で強く感じるのは、何事においても一人で大きな事は無しえず、周りの人の協力があってのこと、ということです。日々感謝の心を持ち、謙虚であることが肝要だと、年を追うごとに実感しています。また、「高ければ高い壁の方がいい」という考えも常に念頭にあり、社会全体の大きな課題である生産性の向上に寄与し、無駄な仕事や作業をなくす為に「受発注を変革するインフラを創る」というビジョンを掲げて日々活動しております。

若者へのメッセージ

キャリアの1stステージである20代の経験は特に肝心です。20代をどこで、誰から、何を学ぶかで全てが決まります。もちろん、誰もがいくつになっても花開く可能性を持っていますが、やはり「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われるように、20代のうちに何かに死に物狂いになるというのは後々重要だと思います。
だからこそ、努力することは欠かしてはいけません。体力も気力も十分で、スポンジのようになんでも吸収できる20代だからこそ、がむしゃらに色々なことに挑戦してください。