山本精工株式会社 代表取締役

山本正人

Masato Yamamoto

忘己利他

山本正人

現在の仕事についた経緯

私は大学卒業後、専門商社で2年ほど勤めていました。いずれ後を継ぐ立場の方であれば、学業を終えてそのまま家業に就くことが一般的でしょう。特に我々の業界では、そうしたキャリアスタートが通例でした。
しかし私の場合は、「まずは自分の成長のためにも外の世界を一度経験したい」「自分の力で給与をいただくという感覚を養ってみたい」という考えがあったのです。当社とは全く畑違いの業界ではありましたが、そうした考えを父に伝えたところ、私と全く同じ考えを持っていました。
専門商社では新卒から3年ほど勤め上げるつもりでいたのですが、結局は1年の前倒し。当社へ加わったのは2008年のことでした。それからは営業課で実績を積んでいき、2016年に常務取締役に就任しています。

仕事へのこだわりと目標

仕事へのこだわりを挙げるとすれば、「従業員を幸せにする」、この一言に尽きます。従業員の幸せを実現できていなければ、そもそも永続的な売上など絶対についてきません。従業員の幸せがなければ企業としても成り立たないと私は考えてきました。
顧客第一主義を掲げる経営者の方はとても多いと思いますが、実際にそうした考えを持つ経営者の方々は、自社の従業員をどれだけ見ているのでしょうか?私は従業員の幸せを考えているとは思えません。
事実、お客様の不満や課題を満足させるのは経営者ではなく、現場にいる従業員です。つまり従業員を第一に考え、満足度を上げることによって初めて、お客様の顔を見て営業ができるようになるのです。そして最終的には、そうした従業員満足が顧客満足にも繋がっていくものだと思っています。

今後も従業員の幸せを追求していくことはもちろんですが、そのためにも人間力を磨いていきたいと考えています。会社に通勤し、働くこと自体が自身のやりがいになるような会社を目指していきたいと思っているからです。
そのためには経営者として、何より働きがいのある環境を作っていかなければいけません。人間力を磨き、その上で素晴らしい人間関係を構築していくことで、人は幸せになっていくものです。だからこそ人間力をどう磨いていくのかが私にとっても大きなテーマであり、これからも日々、試行し続けていきたいと思っています。

若者へのメッセージ

日頃面接などで若い方々と対峙していると、「仕事にやりがいが欲しい」という意見を数多く耳にします。しかし本来、やりがいは自分で作るものです。おそらくプライベートな趣味などであれば、自発的に自分でやりがいを作っているでしょう。
仕事もプライベートも人生の中の一部であり、やっていることが違うだけです。仕事においても自らやりがいを見つけていく心掛けが重要なのだと思います。とはいえ、やりがいや楽しみを見つける前に必ず必要なことは、苦しむことです。苦い経験や苦しい思いがあるからこそ、人はやりがいや楽しみを見つけることができるのです。