税理士法人Suinas代表社員

渡口 宏平

Kohei Wataguchi

神は細部に宿る

渡口 宏平

略歴

公認会計士、税理士。青山学院大学経営学部卒業。大手監査法人にて、会計監査業務に従事。その後ミャンマーに渡り、会計・税務アドバイザリー業務、国際税務業務に従事。帰国後、税理士法人Suinasを設立。

現在の仕事についた経緯

会計税務の世界で理想のサービスを提供できる会社を探した結果、自分で会社を作ることが一番の近道だと気づき、起業することにしました。
私が思う理想のサービスとは、経営者の気持ちを理解し、言葉に出さない部分も意思をくみ取り、最適な解決策を提案することです。
独立する前は、大手の監査法人にいました。大規模な監査法人にいる会計士はかなりの鍛錬を積んだ職人たちです。たしかに彼らの会計の専門スキルは素晴らしいと思います。
ただ一方で、組織が大きいだけに、世の中の経営者達と対等にやりとりができるようになるには、スタッフ→シニア→マネジャー→パートナーと昇進していく必要があり、一般的に入社からパートナーになるまでには20年程度かかります。
ビジネスマンライフを40年間と仮定すると、その前半半分は、理想のサービスを考案し、提供することができません。
また、20年後に初めてパートナーとなり、そこからサービスを考案し始めるようでは、実際に形になるまではさらに10年以上かかると思います。
それでは、遅すぎると感じていました。
思いつくアイデアはいろいろあったので、それを早く形にし、世の中の経営者に提供したいと強く思っていました。その一番の近道は、自分で会社を作ることだと考えたのです。

仕事へのこだわり

常にハングリーであることを心掛けています。
ハングリーであることが、クライアントと最善のコミュニケーションを取れるからです。
例えば、クライアントが税務処理で困っている際に、よく相談を受けます。
クライアントにとっては一刻を争う深刻な問題です。
そんな時、ハングリーであると、当然そのクライアントの役に立ちたい、良い評価を得たいという欲望があります。
そうなると、自然とレスポンスは早くなりますし、良い解決策を提案できるように、時には各専門家を巻き込んで知恵を絞ります。
その結果、早期に最善の解決策を提案できるため、専門家がハングリーであることは、最終的にはクライアントに貢献できることになると考えています。
また、自社のメンバーを心から大切にしています。
大切にするという言葉は、広く抽象的なものになってしまうかもしれませんが、たとえ部下であってもリスペクトする気持ちを持ち、意見を真剣に聞くように心がけています。
私は一人で業務を行っているわけではなく、組織を作り、その中でいろいろなメンバーの知恵を借りながら、業務を行うというスタイルを取っていますので、自社のメンバーは生命線です。その生命線であるメンバーを大切にできないと、組織は大きくなりませんし、組織が小さいままでは、提供できるサービスにも限界があると考えています。
人間は、すべてを得ようとすると、うまくいきません。取捨選択が必要です。
メンバーにとって本当に伸ばすべき能力は何なのか、また、切り捨てるべき能力は何なのか、
深い対話を重ねながら、メンバーにとって本当に必要なものを共に考え、本人の成長につながるよう心掛けています。

若者へのメッセージ

自分の歩むべき道をできる限り早く見つけて、地に足をつけて突き詰めることが大切だと思います。
私は会計税務が好きなので、そのフィールドから外れることはしませんが、その中でも時代に応じて、やりたいことは異なります。
例えば、法人税の計算業務とM&A業務では、会計税務という枠組みは同じでも、業務内容は全く違います。
M&A業務を経験したいから、M&A業務に強い会社に転職するという方をよく見ますが、その都度環境を変えるという選択を取っていたのでは、結局何も突き詰められずに、組織への愛着もなかなか沸かないかもしれません。
私が同じ状況だった場合は、今いる組織において、自力でM&A業務を獲得してきて、自力で完結するというスタイルをとります。専門性が足りない部分は、外部から専門家を招いてチームを作り、アドバイスをもらえばよいのです。
確かに、若いうちにいろいろ経験しておくことは大切なことです。ただ、やみくもにいろいろなことに手を付けるのではなく、最終的な着地点を見据え、そこには地に足をつけたうえで、必要なことにどんどんトライしていく。
そうやって経験値を積むことが、人生を良い方法に進めてくれるかもしれません。
私は今後も本業として会計税務以外の道に進むことはありませんし、この道を突き詰めるという生き方を実践していきたいと思っています。