株式会社牛尾煙火製造所代表取締役社長

牛尾彰彦

Akihiko Ushio

禍福は糾える縄の如し

牛尾彰彦

現在の仕事についた経緯

大学卒業後、IT関係の企業にサラリーマンとして勤務しておりましたが、先代である父が病で倒れたことをきっかけに、幼少期から花火を見て育ってきた原点を見つめ直し、父が地域や社会へ貢献してきたことを継ぎたいと決心し、今に至ります。
創業明治40年、花火の製造から打ち揚げまで100年を超える伝統と技術力を築き上げてきました。花火屋の老舗としての誇りを持って、時代のニーズに合わせた質の高い美しい花火を皆さんに楽しんでいただけるように伝統的花火技術の改良、新製品の開発、実用化に励んでおります。

仕事へのこだわり

花火を通じて、どのような形で社会に貢献できるかを常に意識しています。
昨今では、コロナ禍の影響によって花火大会やお祭りといったイベント関連は全て中止を余儀なくされました。皆さんの笑顔がさることながら、仕事と売上の激減、支援も無い中で従業員と会社を守り続ければならないという苦悩の日々が続きました。
その中でも、皆さんが少しでも明るく笑顔で過ごせるような時間を提供したいと思い、“花火は上を向かなければ見えない”ということから花火を通じて、皆で上を向いて前へ進んでいこうという想いを込めて、地域の方々にお力添えいただきながらも、打ち揚げ花火を上げてきました。
大変有難いことに感謝のお手紙をいただく機会が増えまして、「久しぶりに花火を見て感動しました」や、感動して涙を流す方も居て、その様子を見てわたくしどもが皆さんから感動をいただいております。地域の方々、花火を楽しみにしていただいている皆さんに心から感謝しながらも、花火の美しさと伝統を、より世の中へ伝えていけるよう社会に貢献していきたいですね。

若者へのメッセージ

「乗り越えた先には光が差す」
わたくしの世代も、もっと前の世代の方も、それぞれの時代背景があったと思います。
先輩や目上の方で、「俺の時代は大変だった」と呟く声も聞いたことがあるかもしれませんが、まさに今、大変な時代だと考えています。
コロナ禍の影響によって、当たり前に会っていた人と会えなくなったり、授業や卒業式さえもままならない現状は、想像以上に困難なこともたくさんあると思います。
ですが、止まない雨はないことと同じで、乗り越えた先には必ず光が差すと信じて前へ進んでいってほしいですね。