武内製薬株式会社代表取締役 CEO

武内左儒

Saju Takeuchi

光陰矢の如し

武内左儒

略歴

1984年3月生まれ、広島県出身。高校中退後上京し、フ リーターを経て25才で早稲田大学法学部入学。在学中、 2011年に区議会議員立候補し、落選。2013年に起業し、現在に至る

現在の仕事についた経緯

ブラジリアンワックス脱毛というニッチな成長市場のガリバーポジションを狙って創業しました。まずは市場のプレーヤーとして、ワックス脱毛サロンをオープンしました。順調に自店舗数を増やしていきましたが、次第に店舗出店スピードが市場ニーズに追いつかなくなったため、他社のサロンに技術を教えて商材を売る事業をはじめました。すると同じように技術・商材を販売する会社が出てきたので、今度はその会社に対してOEMで商品提供しようと考え、商材のOEM受託を開始しました。ニッチ市場の下流中流上流で、サロンの会社、モノを売る会社、モノを作る会社と、3つの会社にわけてやるようになりました。

仕事へのこだわり

2016年頃にワックス脱毛の市場成長率が急激に鈍化し、事業縮小か撤退かピボットか、という局面になりました。ピボットを選択し、自分たちが持っているアセット、強みをいかして他に何ができるかを考えました。工場があり、ECモールを中心にモノを売るノウハウもある。これを活用して、化粧品を多品種少量生産で作って売ることを始めました。マーケティングドリブンで商品開発を行い、自社ファクトリーをフル活用してスピーディに商品投下を行い続けることで、変化の激しい需給の機微を逃がさず捉え、大きく成長を続けることができました。2020年1月には3つにわけていた会社を合併し、より機動力を発揮できる組織作りに注力しました。これが結果としてコロナ禍を乗り切る大きな原動力となりました。アルコール類やハッカ油など、特需の発生した商品の製造に注力することで、自社ファクトリーを最大限に活かしながら急激な需給に対応することができました。
現代は予測不能な時代と言われています。そのような時代を生き抜くために必要な能力は、ダーウィンの言葉を借りれば「変化できる」ことであり、それこそが普遍の生存戦略であると考えています。市場による選択、局所的な淘汰を受け入れながら変化し続け、時代に求められるあり姿を追求していく姿勢が大事だと考えています。その為に、変化を前提としたビジネスモデルとアセットを築き、我々の最重要ケーパビリティである変化に対応する力=機動力を最大化する体制を作っています。

若者へのメッセージ

私の人生は挑戦と失敗の連続でした。私は高校を中退し、17歳で単身上京しました。しばらくフリーターをした後、ローソンの夜勤バイトをしながら1年間独学し、大検(高認)を取って25歳で大学に入りました。大学に入ってすぐに選挙に立候補しましたが力及ばず落選しました。しばらくして起業しましたが、何度も危機に陥り、数年おきに事業を大きくピボットしてきました。人生光陰矢の如し、やらない後悔をしているうちに人生は一瞬で過ぎ去ってしまいます。死ぬこと以外はリスクでありません。自分の人生の手綱を自分でもち、自ら切り開いていくことを最も大切にしています。是非、「死ぬこと以外ノーリスク」の心持で、色々な挑戦をしてみて、人生を切り開いてください。