ワイズプラント株式会社 代表取締役 

坂口将清

Masakiyo Sakaguchi

どんな環境にいてもその中で楽しみを見つける

坂口将清

現在の仕事についた経緯

母体となっている会社は1963年創業ですが、私の社会人歴はまだ20数年なので、母体の会社については、ほとんど知らない状態です。元々、前の会社のキャリアをもって、最初は商品設計・企画というところからスタートし、現在のポジションに就いております。ワイズプラントとしては2006年に創立しています。元々母体となってる会社の方の一従業員としてやっていましたが、そこから分社独立しました。

その頃からクリーニングのプロとして仕事をしていたわけではなく、元々はボイラーの設計開発、産業機械の設計開発をしていました。そこで製造開発のポジションで2年くらい働き、前身の会社に入社しました。
父がそこで商社部門の責任者をやっていて、オリジナル商品を企画・製造していくことになりました。商社だったので、元々メーカーさんから仕入れた商品を売っていたのですが、プライベートブランドの製品をどんどん作っていくようなタイミングで弊社に入社し、前職のキャリアを活かして商品設計や企画というのをやっていました。それが、クリーニングの業界に入るきっかけとなりました。

仕事へのこだわりと目標

「答えはお客様が持っている」というところを常に認識しています。
というのも、私も研究者気質なところもありますし、我々の業界は職人さんが多く、最終的に自分が追い求めたい品質やクオリティへと持って行きがちです。しかし、お客様が求めていることからズレてしまうと、生産性を著しく下げるということもあります。逆に手抜きをすればいいのかと言うとそういうことではありません。その答えはお客様が持っている、というのを常に考えています。
我々にとってお客様というのはクリーニング屋さんではなくて、クリーニング屋さんの先にいる消費者の皆様だと思っています。「その方たちが1番満足できるような物を」ということを、商品開発にしても、システム設計にしても、スタートとして考えるようにしています。そこがこだわりではありますが、要は「こだわりを持たないように気を付けている」という方が実は正しいかもしれません。

弊社は、約4年前にミッションを改めました。元々クリーニングの付帯資材の商社からスタートしているので、クリーニング業界の一商社というメーカーの側面もあります。
洋服の廃棄量が年々増え過ぎていて、それを国策的になんとかしていこうという号令が2015年に出た時に、これは我々メンテナンス業界の方が活躍するフィールドだなと思いました。現在、年間約100万トンの洋服が捨てられています。この内の8割ぐらいが家庭ごみです。ほとんどの人が洋服を買い過ぎているし、捨てすぎてるというのが現在の日本の状況で、それは服が安くなっているからという理由もあります。
果たしてそういう消費を続けていって良いのか、という問題があります。経済省がリサイクル率を上げようとしていますが、実際服を捨てている人に話を聞くと「こんなシミだらけで破れている色褪せた商品を売りに行く方が恥ずかしい」と言い、結局そのまま捨ててしまうのが現状です。
我々メンテナンス業界は、本来ならばこういった問題を解決できるので、クリーニングの品質を上げていき、メンテナンスの受け皿や駆け込み寺になるようなクリーニング店を1社でも多く増やしていきたいですね。そして、洋服の廃棄量が少しでも少なくなればいいなと思っております。

若者へのメッセージ

自分ができる目先の事に一生懸命取り組んでいけばいいのではないかと思います。
それは何でも良いのですが、10年20年経ってくると、どこかで点と点が線に結びついてくる事があると思います。
私も別に今の仕事に何か活かそうと思って洋服が好きになったわけではなく、もともと洋服が好きだったという流れの中で今があります。
自分の人生に後付けしていく事は、大人になったらいくらでもできるので、今目の前にある事を一生懸命に取り組んでいってください。