かねおく農園 園主/PRUNING合同会社 代表社員

奥野成樹

Shigeki Okuno

道は自分で作る

奥野成樹

略歴

同志社大学工学部卒業。
卒業後、自動車関連メーカーで商品プランナー職に従事。車載音響製品を多数、世に送り出す。
2015年秋に脱サラ就農、明治の時代から100年以上続くぶどう園を継承。
2017年、おおさかNo(のう)-1グランプリ初代チャンピオンに輝き、大阪初の体験型オーナー制ぶどう園である「OKUNARY」を立ち上げる。現在オーナーは120名を超える。
柏原市ぶどう品評会では受賞歴多数。

現在の仕事についた経緯

大学を卒業し、会社勤めをしている時の勤務地が福島県の浜通りでした。何のご縁かはわかりませんが、東日大震災で大きな被害を受けた福島県いわき市に5年ほど住むこととなりました。
そのような中で、被災した地元福島を復興しようという想いを持った人に多数出会いました。特に私と同世代の若者が東京から戻ってきて起業し、新たなビジネスを起こす所をたくさん見ましたし、農業においても風評被害が大変あるなかで、事業を伸ばす経営者をたくさん見ました。
こういった出会いから、人生の価値観が変わりました。
「自分にしかできないこと」、「地域のためになること」この2つの条件を満たす生き方はなんだろうと考えました。結論は、地元のぶどう産業に携わることでした。

仕事へのこだわり

1年の間に、新しいことに複数取り組めるようにしてきました。ぶどう栽培は季節商売です。夏の6~9月、約3ヶ月程度の販売期間で年間の収益を得る事が必要です。
また、栽培も1年を通して行い、苗木を植えてから収穫までに5年かかります。つまり、時間の制約を大きく受けるビジネスだということです。
時間がかかるので、大きな挑戦をするのにはリスクもありますが、一方で時間がかかるからこそ、低リスクの小さな挑戦を1年に複数盛り込むことが良いとも言えます。新しい栽培方式・栽培技術・品種等の導入、WebやSNSメディアの活用、小さな面積での年会費制ワイン園づくり、ボランティア募集など、毎年たくさんのことにチャレンジをしてきました。
その結果、小さな芽が年数を経るごとに大きな成果を生むようになり、それぞれの取り組みがシナジーを持つようになってきました。今も、小さなことを馬鹿にせず、たくさんのチャレンジを1年間にどれだけ詰め込めるか考えて仕事をしています。

若者へのメッセージ

自分の気持ちに素直になって、後悔しない人生を送ってもらいたいと思います。昔と違って、今の時代は諦めなければ自分らしい人生を送ることが可能だと思います。
私も、農業の業界に入ってまだまだ道半ばです。自分の目指す大きな成果は得られていません。ですが、努力した分だけそこに近づいている実感はあります。辛いこともたくさんありますが、その何倍もワクワクして楽しい気持ちです。
やらない後悔だけはしたくないですよね。やりきってダメだったら、そこで方向修正したら良いのです。Youtuberの両学長の言葉ですが「今日が人生で一番若い日!」です。
小さなことでも今から行動しましょう。私も頑張っています。