株式会社岡田印刷 常務取締役/おもしろ創造研究室 室長

岡田 翔

Tsubasa Okada

どうせやるなら、面白く

岡田 翔

略歴

東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科卒業。
在学中に経験した東日本大震災を契機に、海洋資源を活用した再生可能エネルギー開発に興味を抱く。新卒で国際航業株式会社に入社後、国内洋上風力発電開発を担当。2018年、株式会社岡田印刷に入社、新規事業開発に従事している。
趣味はアカペラ。高校時代の部活から活動開始し、現在所属するグループではアジア大会にて1位を獲得。また、グループのステージディレクターを務めている。「従来の概念にとらわれない声による表現」をテーマとして構成されるステージは国内外からの評価が高い。

現在の仕事についた経緯

【20年間イルカの調教師になることだけを考えてきました】
元々は、幼少期からの憧れの職業であったイルカの調教師を目指し東京海洋大学に入学しました。
在学中は海洋生物学を専攻し、水族館をはじめとする博物館で就職し、海棲哺乳類に携わりたいと考え、学芸員・教員の資格を取得。しかし、在学中に発生した東日本大震災の被災地海洋調査ボランティアを通して、「もっと社会に貢献したい」と感じ、専攻を変更しました。

【「自分の座標」と「社会貢献」をどう繋げるか】
専攻を変更したことでこれまでの研究内容や“幼少期からの夢への思い”が梯子を外されたように何も無くなってしまいました。この選択を、どのように社会貢献に繋げるかで悩みました。
その頃、原子力発電に対する社会の不安が高まり、代替エネルギーとしての再生可能エネルギーが脚光を浴び始めました。直感的にこの社会の動きと「社会貢献」は親和性があるととらえ、かつ自分の「海」のステージをいかに繋げるか、と考えた結果、海のエネルギーを活用した“海洋再生可能エネルギー”にたどり着きました。

【順風満帆が一転、地元に帰ることを決意】
その後は、大学で海洋再生可能エネルギー開発の研究を重ね、新卒で国際航業株式会社に建設コンサルタントとして入社しました。主に北海道・九州地方の洋上風力発電開発に携わっており、国・自治体を交えたスケールの大きな仕事にやりがいを感じていました。
しかし、2017年に父である社長が大病を患い、一時的ではありますが実家の手伝いをし、その時に親身になって助けてくれた会社のスタッフに大恩を感じ、帰京後即辞表を提出。家業を継ぐ決心をしました。
現在では印刷業の事業領域を少しずつ広げていくべく新規事業開発を担当しています。

仕事へのこだわり

【座右の銘「どうせやるなら、面白く」】
座右の銘がそのまま仕事、新規事業の軸になっています。

「面白い」という言葉はぱっと見、おちゃらけたイメージが浮かぶかもしれませんが、実は語源は「面(=顔)」と「白い(=明るい)」の組み合わせであることから、「表情が明るい」ということを意味しています。つまり「面白さ」には、関わる人々の表情を明るくする、という意味が込められているのです。
新規事業開発においては、自社の利のみならず、関わる人全てが「面白く」なることを第一にビジネスモデルを考えています。

また、仕事においては関係者が同じベクトルを向いた時に、初めて大きな成果を得られるものだと考えています。
これは簡単なことではありませんが、目指すべきベクトルにいかに向かってもらうか、また向き続けるモチベーションをいかに保つかが非常に重要になります。

周りのスタッフ巻き込むためには、まずは自分がそのベクトルの体現者となる必要があります。そのためにいかに自分が仕事に対して「面白さ」を感じ、その「面白さ」を伝播していけるようになるかが大切だと考えます。

若者へのメッセージ

【“夢中力”を手に入れてください】
私は、「集中力」を超える概念として「夢中力」が重要であると考えています。
「夢中力」は、仕事などのやるべきこと、やらなくてはいけないものに対して、自らのベクトルを無理矢理仕向けるものではなく、自然に、それでいて深く長く、考え続けることができる力のことを指します。

人間は20歳までで体感時間的にいうとなんと人生の半分を終えているそうです。
新たな刺激は年を重ねるごとに指数関数的に減っていくのです。

すなわち、若ければ若いほど、自分に投資できる時間の質がそれ以後と比べて非常に多いのです。

その限られた時間を有意義なものにするために。
まずは、さまざまな事柄に“興味を持つこと”=“好奇心”を大事にしてください。
「これは既に知っている」という考えを捨て、あらゆるものに貪欲になりましょう。

そしてその次のステップとして、興味を持ったものをより突き詰める「深掘り」をしてください。
「新しいこと」に取り組むことはエネルギーが必要になります。そのエネルギーの源はあなたにしかない“良質な時間”なのです。

そして最後に、それ以外のことが考えられないくらいに1点にのめり込んでください。そしてやり切ってください。周りに認められなくても、自分自身が認められるまでやりましょう。

ここまで来れたあなたは、きっと「夢中力」を手に入れているはずです。

1つのことに対して、自分の全てを注ぐことができる人は決して多くはありません。

だからこそ、仕事でもプライベートでも、その能力が使える人は非常に貴重な存在となります。そして、何よりあなたが自分自身の人生に対しての幸福感が上がるはずです。

是非、若い今だからこそ「夢中力」を手に入れてください。