株式会社アンバーパートナーズ 代表取締役

中田隆之

Takayuki Nakada

桃李もの言わざれども自ら蹊を成す

中田隆之

現在の仕事についた経緯

起業を視野に入れ始めたのは大学生のときです。アルバイトで塾講師をしていたのですが、塾長や先輩達から「お前は人に愛されそうだし、自分で何かした方が成功するよ」と言われていました。一方でサラリーマンだった父からは「世の中そんなに甘くないぞ」と反対されていました。その狭間でどうしようかと悩んでいたんですが、当時はバブルがはじけたところで就職先が全くなかったので、自分で何かをやらざるを得ない状況でした。
とりあえず宅建は持っていたし不動産にも興味があったので、土地家屋調査士の資格を取ろうと測量の専門学校へ行きました。それが今の仕事に繋がっています。

測量士や土地家屋調査士というのは、通常だと不動産業者や建設業者から仕事の紹介を受けるといった、下請けのような感じです。だから紹介元の景気にすごく左右されるのです。それで「下請け体質を脱して、エンドユーザーである一般のお客様の役に立つにはどうしたらいいんだろう?」と考えた結果、相続サポートセンターという法人を立ち上げることにしたんです。
僕のような有資格者、専門家が集まって、相続に関わるすべての問題をコンサルティングする会社です。

仕事へのこだわりと目標

相続と一口に言っても、税金や測量、登記など様々な問題があります。お客様からすると、その道のプロを別々に探さなきゃいけないので非常に面倒なんです。だから窓口を一本化して、すべてのご相談をワンストップサービスで解決できれば、お客様の役に立てるのではないかと考えました。
有資格者や専門家って、資格にあぐらをかいている人も多いのですが、本来はその専門性を活かして世の中に貢献するサービス業だと僕は思っています。伴奏者としてお客さまの問題を一緒に解決していくようなものです。
だから僕達は、相続の相談を受けても、法律論・税金論を一旦頭から外して、“残された家族の皆様にとって、幸せはどこにあるのだろうか”という公平中立的な立場でコンサルティングをしています。相続にあやかって何かを売りつけるなんてことはしません。それは私たちの強みですね。

今後は、55歳で第一線を退くと決めています。その時は、肩書きも所有権もすべて譲るつもりです。だから事業継承を進めるための次のリーダーを決める必要があります。それを対外的にも浸透させなくてはとも思っています。
一方で「アドベンチャートラベル事業部」という新しい事業部も立ち上げました。
僕は30年来のキャンパーなのですが、今はコロナの影響で、にわかキャンパーが増えてきました。そのせいで本当のアウトドアというものが楽しめないような状況になってきています。
「アドベンチャートラベル事業部」では、本物のキャンパー・アウトドア好きのためにオンラインサロンを立ち上げて、1日1組限定のキャンプ場運営をするつもりです。また、これを別会社化しようとも思っています。いずれはフランチャイズ化して、5年後には300拠点くらいに増やせたらいいなと考えています。「1日1組限定」は変えずに、いろんな客層に合ったキャンプ場を作っていけたらと思っています。
こちらに関しては既に「フリーサイトベース伊豆大川」がオープンしていますし、北軽井沢にもオープン予定です。今の会社を退くと僕も完全に所得がなくなるので、アウトドアビジネスをしっかりと形作って所得を確保しつつ、老後も楽しめる仕組み作りをする。これが今後の課題でしょうか。

若者へのメッセージ

世の中では「今の若者は元気がない」なんて声も聞かれますが、僕はまったくそう思いません。むしろ、我々の世代より今の若者の方が考え方がピュアだし、物怖じせずにいろんなことが出来ているなと感じます。
もし付け加えるとするなら、国家観や歴史観、死生観をしっかりと身に付けてほしいです。
名経営者は皆そこが確立されています。だから「世の中の役に立ってるからいいでしょ」「お金が稼げてるからいいでしょ」じゃなくて「なんでこれをやるのか?」というベースになる哲学を持つことです。
そういう人にこそビジネスに取り組んでほしいなと僕は思います。