株式会社グローバークス 代表取締役社長

森永健太

Kenta Morinaga

過而不改、是謂過矣(過ちて改めざる、これを過ちという)

森永健太

略歴

1990年福岡県生まれ。慶應義塾大学大学院(MBA)修了。
大学在学時に中国上海の復旦大学に留学。学業の傍ら、復旦大学野球部でコーチを務める。
大学卒業後、大手機械メーカーの川崎重工業株式会社に入社。海外営業部に配属され、アジア各国向けの営業活動に従事。
退職後、外国人の日本での就職を支援する会社として、株式会社グローバークスを設立。現在に至る。

現在の仕事についた経緯

優秀なのに日本での就職が叶わない外国人留学生を助けたいと思ったことがきっかけです。メーカーの海外営業部で勤務していた際、同じ部署のある外国人の先輩が大活躍していました。このような優秀な外国人材が増えれば、日本企業の国際競争力は上がるだろうと感じていました。
しかし、周囲の留学生の友人を見渡すと、能力は高いにも関わらず、全く内定がもらえず、失意の中で帰国してしまうケースが多かったのです。その原因は、世界的に見ても特殊な日本の「就活」というシステムに、留学生が上手く対応できていないためでした。労働人口が減り続け、国際化が求められる日本において、このような状況は留学生と日本社会の双方にとって不利益であると考えました。
外国人留学生の就職を支援することで、日本で就職できない留学生を少しでも減らしたいと思ったことが、今の事業を始めたきっかけです。

仕事へのこだわり

会社員時代から、お客様や取引先に対して誠実に対応することは心掛けているつもりです。不手際があれば誠実に謝る、相手の時間を無駄にしないことなどは気を付けてきました。社会人としては当たり前のことですが、相手からの信頼を得るためにはとても大切なことなので、今でも意識しています。
また、外国人のお客様に対しては、相手の文化や風習を最大限尊重することを心掛けています。メーカーの海外営業時代は、海外出張によく行っていましたが、「郷にいれば郷に従え」の精神を実践していました。
例えば、相手から進められた現地料理は積極的に口にするようにしていました。逆に海外のお客様が日本に来た時には、日本の食文化を体験していただいたり、観光地にお連れするなどのホスピタリティを発揮していました。
現在は外国人の就職支援を行っていますが、相手の文化の尊重はとても大切です。その点は、メーカーの海外営業時代の経験が生きていると思います。メーカーの営業から外国人の就職支援という一見脈絡のないキャリアですが、大事な部分は共通していて、現在の仕事にも繋がっていると感じます。

若者へのメッセージ

私自身も31歳の若輩者なので、偉そうに何かを言える立場ではございません。ただ、あえて言わせていただくなら、「起業は思っていたほど怖いものではない」ということをお伝えしたいです。
私は大手の安定している企業を辞めて独立する時、とても怖かったのを覚えています。会社の看板で仕事をしてきた自分の力が通用するのか、自力でお金を稼げるのか、不安でした。しかし、家族をはじめ様々な人の支えがあり、今では毎月継続して売上を上げることができるようになりました。
あまり無責任なことは言えませんが、どうしてもやりたいことがあるなら、チャレンジしてみても良いと思います。日本はセーフティネットも充実していますので、仮に収入がゼロになっても簡単に死ぬことはありません。それに、もし失敗しても再び会社員に戻ることもできます。私自身、有難いことに取引先の会社様から「うちに来ないか?」と誘っていただいた経験が何度かあります。今の仕事が充実しているので、丁重にお断りさせていただいていますが、会社員からドロップアウトした私でも、まだ拾ってくれる先があることには驚いています。
誘っていただけた理由を尋ねると、「独立して自力でビジネスを行ってきた経験」を評価してくれてのことです。独立して仕事をすると、主体性や創意工夫が嫌でも身に付きます。それは会社員として生きていくうえでも重要な能力です。ビジネスの立ち上げは思い通りにならないことも多いですが、そこで試行錯誤しながら、もがいた経験は決して無駄にはならないと思います。むしろ、会社員として過ごすよりも、自身の市場価値を高めてくれる経験になるかもしれません。