株式会社アクト・ワン 代表取締役

松谷聡達

Sowtatsu Matsuya

エンターテイメントが世界を救う、エンターテイメントで世界を変える

松谷聡達

略歴

愛知県立大府高等学校を卒業後、上京し、勝田声優学院に入学。声優俳優としての研鑽を積む。その後、声優俳優として活動する傍ら、2015年から個人業で音響業を開始。音響の収録編集、演出、脚本の提供、演技指導など、エンタメを中心に活動。2020年2月に法人化し、代表取締役に就任。

現在の仕事についた経緯

声優俳優としてだけでは生活できるほどの稼ぎがなく、派遣社員として販売員をしていました。時には収入が厳しく、ダブルワークで働いていた期間もあります。「このままでは自分のやりたいことで生きていくことなんてできない」と気づいた20代半ばの頃が転機となり、音響の収録編集を請け負う個人業を始めました。
僕が痛感したのは、エンタメを志す人、実際に同じような現場で活動している人の多くは「ビジネススキル」が欠如しているということでした。派遣社員をしながら会社でビジネス研修を受けたことで、「もっと学ばなければいけない」と考えさせられました。好きなことで生きていくためには「ビジネススキル」が大切だと気づいてからは、独学でビジネスについて学び、結果として法人化するまでに至りました。

仕事へのこだわり

これは演技に従事しているからなのですが、「全ての道はローマに通ず」と同じように「身の回りのあらゆることが演技に通じる」と思って生きています。その中で「さまざまなものを関連づけて考える」ということが習慣になっています。そしてこの習慣が今、“様々なことからビジネスに関しての知識を学び取る”ということにも通じていると感じています。今の自分で満足することなく常に成長マインドで生きていられるというのは、変化していく社会に対応する上でも、とても大切なことです。

そして、俳優業をしていると自分では考えられないような様々な価値観に触れ、受け入れる必要があります。自分の価値観だけでは、自分とは違う人間を演じることはできないからです。それが自分の価値観がブレることなく、他人の価値観も理解し、受け入れるというスキルに繋がっています。

人と誠実に向き合うためには、相手の感じていること、考えていることを受け止めることから始めなければならず、その上で自分自身がブレてもいけません。そのために恩師から教わった「肚(はら)と口をつなげろ」という言葉を大切にしています。腹の底で思っていることと実際に口にしていることがズレないよう、嘘やごまかしをせず相手と向き合うようにしています。
それができるようになってきてからは、人の相談に乗ったり、何かあるときに声をかけられたりすることが増えてきました。誠実に向き合うことで、人とつながることができるようになったのです。ご縁がつながるというのは、そうした人との出会いの先にあります。

日々関連づけて考えること、向上心を持つこと、誠実に向き合うこと、そしてご縁を大切にすること。それが今の自分の仕事に対する根幹になっています。

若者へのメッセージ

今の時代は「個の時代」とも言われていて、一人で何かをやる人も増えてきました。ですが、個人でできることには限界があるとも思っています。特に僕より若い世代は、人と向き合うことに不慣れな人を多く見かけます。コミュニケーションツールが発展したこと、そして現在のコロナ禍で人と会う機会が著しく減ったことが大きな要因だと思います。

社会というのは、人と人とのつながりでできています。孤立してしまったら生きていくことも困難です。孤立し、孤独になるとメンタルも不調になり、体調を崩し、寿命が短くなるとも言われています。人とのつながりが僕らの「幸福度」の尺度でもあるのです。

人とのつながりを大切にしていけば、いずれチャンスが訪れます。そうしたチャンスを逃さないためにも、向上心を持って努力し、さまざまなことに誠実に向き合っていってください。
そうしたあなたの姿を見て、あなたのことを助けてくれる人がひとり、ふたりと増えていきます。そして、あなたが助けることができる人も、ひとり、ふたりと増えていきます。その連鎖が次のご縁を運んできてくれます。