株式会社アスメディック代表取締役

町田佳昭

Keaki Machida

感謝と思いやり 三徳あれば自ずと結果はついてくる

町田佳昭

略歴

1969年8月1日生まれ。
大阪府立港南高等学校(現港南造形高等学校)モダンクラフト科卒業。卒業後某設計事務所へ就職。
その後様々な分野の図面を書くためにゼネコン20社程の各JV現場で施工図を書き続け、現在に至る。
大阪水都ロータリークラブ所属会員。

現在の仕事についた経緯

昔の私は、自分を自由に表現する事ができる「お絵描き」が大好きな子供でした。そして建築を漠然と考え始めたのは小学生の時、担任の先生から言われた「将来建築士になったらどうか」という一言。成長する中で漠然とした夢を持ち始め、中学時代に安藤忠雄氏の作品に出合い、斬新なデザインに感銘を受けた事がきっかけで本格的に建築の道へ進む決意をし、高校も建築関係の学科へ進学しました。

しかし当時の建築業界は今では考えられない程の男性社会。この業界で女性は成功しないと両親に反対され、望んでいた大学進学の夢は断念することに。しかし夢を諦めきれなかった私は親の反対を押し切り、ご縁があった設計事務所へ就職する道を辿りました。
そこで建築内装の基礎を学び、店舗の内装デザイン設計の魅力に触れる事でスキルを磨き続け、マンションリフォームや大型商業施設など徐々に規模の大きいプロジェクトに携わるようになりました。
夢に対して貪欲な私はもっとスケールの大きな仕事がしたいと思うようになり、土木へ転向。橋梁、高速道路、ダム、トンネル等の設計に携わりました。やりがいはありましたが、望んでいた「デザイン」という世界とは程遠く、再度建築内装へと出戻りを決意しました。

しかし、35歳で挫折を経験します。自負していた私の建築業界での感性が受け入れてもらえず初めて店舗内装デザインプレゼンテーションで負け、私よりも若い子のデザイン性に完敗しました。
年齢的にも若くない私にとってショックな出来事が起きた中、偶然手術室の設計をする事になりました。見た目はシンプルでありながら機能性重視、人には見えない世界での複雑な構造、知れば知るほど限りのない奥深さを感じ、いくら勉強をしても終わりのない知識が必要と言う世界に偶然足を踏み入れた事によって、「運命」と言っても過言では無い人との偶然の重なりの中、まだまだ未熟ではありますが現在に至っています。

仕事へのこだわり

大小構わず、ただ目の前の仕事に全力を尽くす。昔からの信念です。
自分が引き受けた仕事に対しては、たとえ評価を得られなくても「悔い」が残らないよう最大限の力を出し切った仕事、内容を提供する。失敗を糧とし、反省点を活かしてワンランク上の仕事をするよう精進しています。更に人との繋がりを大事にし、常に笑顔を忘れず、たとえ叱責を受けたとしても「自分の欠点に気づかせて頂いた」「良い勉強になった」という感謝の気持ちを常に忘れず、何事にも臆せず新たな分野へ挑戦し続ける。こうした厳しい環境でも凹まない、諦めない覚悟を常に自分自身に言い聞かせてきました。

これまでの経験上「感謝・仁義・知識」の3拍子が備われば周囲も認めてくれると信じています。それが人徳へと繋がり、自分らしい仕事が出来るようになります。大きな目標を最初から掲げる事なく、階段を上るように焦らず一歩一歩技術者としての知識を徐々に身に着けるようにしてきました。

私が考える社会人としての最大のモットーは「自分自身に嘘をつかない」事です。
今自分は何をしたいのか?どうしたいのか?どうすればいいのか?を常に自問自答し、リスクとタスクをその場で瞬時に考え最善の選択を行っていく。悔いの残る選択はしない、それで間違えたとしても立ち止まり引き返してもう一度考えてみればいい。
常に「順風満幌」なんて人生においてあり得ないと私は考えています。
奢る事なく、しかし自分に正直に生き続ける。この先も仕事をしていく以上、その繰り返しは永遠に続き、常に最良の選択を行っていく様努めています。

若者へのメッセージ

私が一番言いたいことは「何事もすぐに諦めない事」「妥協はするな」です。

少子高齢化の現代において、どうしても年長者の意見や多数決に大きく左右されてしまう状況が散見されます。男性社会で生きてきた私も痛感してきたジェンダー問題もあります。その中で自分が信じた事、直観は大事にしてください。
1日の大半を仕事に費やす長い人生、楽しくやりがいを感じながら仕事をした方が充実していると思いませんか?

しかし私からのお願いですが、現代というバランスの取りづらい世の中ではありながらも年長者の声や知識に耳を傾け吸収して欲しいと思っています。年長者は年長者なりの長い人生で培った知識があります。男性と女性の意見は性別と一緒で視点が違う事が多くあります。
しかしそこを融合させながら世の中に新しい風を送り込み、新しいクリエイティブな発想を皆さんが発信する事で、今まで想像もつかなかったモノ、環境を作る事ができるのは若者だからこその力だと思っています。
その為やりたい事、自分の意見をはっきりと人に伝えられるコミュニケーション能力を養ってください。インターネットが普及しSNSが普及した時代で、匿名で自分の意見を言うのではなく、バーチャルの世界で友達を作るのではなく、人間も動物として自然界での当たり前の事、目の前の人間とまず目を見てコミュニケーションを取り、敵と感じなければ仲よくなり群れをなす(会社組織)と言うのが基本だと私は思っています。
その中で自分の意見を堂々と述べられる勇気を持ってください。諦めず一生懸命取り組んでいるその姿勢を見せ続けて行くことで周囲から認められ自ずと知らず知らずのうちについてくるもの(金銭的な部分だけでなく知識も)があります。だから焦らないでください。

人生は本当に気が遠くなるほど長いです。最初から自己評価を高く設定し、達成できずに諦めてしまうよりは、まず自己設定を低く見積もり一つ一つの達成感を仲間と共に味わいながら楽しく人生を送って欲しいと思っています。

がむしゃらに勝手な達成感を自己満足させる為だけに進んでいるように見えて、ある日ふと足を止め振り返ってみると、きっとびっくりするほど沢山の人が自分についてきてくれていた事を実感するでしょう。その人達は将来あなたに協力し、助けてくれる人達です。それを長い人生の中で一つ一つの積み重ね、一期一会を喜びに替えて欲しいです。